新しいOnStar
GMのOnStarは、キーを車内に置き忘れたり、知らず知らずのうちに道からはずれてしまったりする不注意な人を支援するという位置付けのシステムだ。しかし、このシステムをドライバーにとって役立つ情報や支援を日々提供するシステムとして見直すことが可能ではないか。GMのネットワークとブランド力で包括的なドライバー情報サービスを構築すれば、いちいち人間のオペレーターに電話で問い合わせる必要はなくなる。ドライバーは、音声コンテンツと地域情報提供サービスを使うことで、レストランの評判や予約状況の確認、広告の閲覧、映画のレビューや上映スケジュールのチェック、チケット購入などができる。必要ないかぎり、OnStarのオペレーターと面倒な会話をかわす必要もない。OnStarの基盤となっているネットワーク技術についてはよく分からないが、お堅いサービスだけでなく、もっと魅力的なサービスを実現できるのではないだろうか。現状のOnStarのサービスでは、最新技術を利用しているというよりも、大人の監視が必要なダメ人間になったような気がして、使っていてもあまり気分がよくない。
車載テレビ
あえて言うが、車載テレビにはかなりの市場があるのではないだろうか(もちろん、後部座席用である)。ただし、素晴らしい後部座席用のDVDシステムも、DVDをいちいち車に持ち込むのは今風ではない。やはり、現在放送中のテレビ番組を走行中に観られることのほうが魅力的だ。DirecTVやDISHの視聴アンテナが、KVHとRaySatから販売されている。どちらも背の低いアンテナなので、バス用とは思えないし、おそらく天井の内張りの中に収まるのではないだろうか。そうなれば、工場出荷オプションにもできるかもしれない。この2社はおそらく今、デトロイトの自動車メーカーを訪ね歩いて自社製アンテナを売り込んでいる最中だろう。
自動車用エンタテイメントハブ
以前のコラムで娯楽用の無線インテリジェントハブがあればよいのにと書いたら、すぐに、いくつかのメーカーから、今開発中であることをにおわせるコメントをもらった。こうしたシステムは真っ先に導入してほしいものだ。そうすれば、モバイルPCと車という人々が最も欲しがる2つの製品をシームレスに統合する新しいシステムが構築されるだろう。
ここに挙げた技術を採用したからといって米自動車業界が一夜にして復権するわけではない。しかし、こうした先進の自動車用テクノロジーを一貫してしつこく追い求めていけば、米国車は、私が子供の頃に言われていた「最新かつ最高の車」という称号をいつか取り戻すに違いない。
著者紹介
Brian Cooley
CNET上級編集者
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