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海外アウトソーシングに沸くインドIT産業の未来

2004/04/19 10:00
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 海外アウトソーシングを求める米国IT業界からの需要の高まりを受け、インドの人件費が上昇しはじめており、同国へのアウトソーシングから期待される長期的なメリットに疑問の声が上がっている。

 先頃発表された調査によると、インドのIT業界で働く労働者の給与は2003年に2桁の伸びを示したという。その一方で、米国内で同種の仕事に従事する労働者の給与は、相対的に停滞しており、場合によっては低下している部分も見られる。全体として見た場合、インドの給与は依然として米国の平均額をかなり下回るものの、賃金の格差が狭まりつつあることや、その他の予見できない要因が重なった結果、少なくとも一部の米国企業では、仕事のオフショア化から得られるはずのコスト節減額について見直しを始めている。

 DiamondCluster Internationalというシカゴのコンサルティング企業によると、「海外アウトソーシングで得られるメリットへの期待は、以前よりも現実的なものになってきている」という。同社は海外アウトソーシングを実施する180社以上の企業に調査を行い、先頃その結果を発表した。「前回の調査では、大半の企業が50%程度のコスト削減を期待していた。だが現在では10〜20%の範囲まで期待が下がってきている」(同社)

 インドでのIT労働者の賃金は昨年14%近く上昇したと推定されているが、これは古典的な需要と供給の関係から生じた自然な副産物だ。アウトソーシングに関する予測はいまだに推測の域をでないものだが、それでもForrester Researchは、2015年までに330万の仕事が米国から海外に逃げていくと見積もっている。また、インドのIT業界団体Nasscom(National Association of Software and Services Companies)は、インドでは最大で23万5000人のITプロフェッショナルが不足することになるとの懸念をすでに1年前に表明していた。

 インドは過去数年で、瞬く間に米国企業のお気に入りのアウトソーシング先となった。この背景には、相対的な賃金の安さの他にも、エンジニアの数が豊富で、英語を話す国民が多く、さらに歴史的にも西洋諸国と結びつきが強いなどの要因がある。そのため、インドの労働力に対する需要が増えればやがて賃金も上昇するであろうことは、それほど理解に難くない。とりわけIT市場の拡大が新たな繁栄をもたらし、インドの一部の地域では生活コストが上昇し始めていることを考えると、これは自然な流れといえる。

 「最近のバンガロールでは、とても重要な展開が見られる。新たなビルの建設ラッシュが起こり、若い人々の数も増え、商店やレストランもたくさんできている。街全体にものすごいエネルギーが感じられる」と Infosys Technologiesの創業者の1人で同社のCEO(最高経営責任者)を務めるNandan Nilekaniは、先頃行われたCNET News.comとのインタビューのなかで語っていた。「バンガロールの様子を見れば、IT産業の爆発的成長が切っ掛けとなっておこった経済の活性化がどんな感じかをつかめると思う」(Nilekani)

 インターナショナルなビジネスを専門とするコンサルティング企業、Hewitt Associatesはアジア太平洋地域で活動する500社以上の企業を対象に毎年調査を行っているが、同社が先頃発表した調査の結果によると、インドでは昨年「ITソリューションプロバイダー」分野の賃金が12.8%、また「ソフトウェア開発」分野の賃金は13.7%増加したという。この増加率は調査対象となった他の国々と比べて最大のものだ。

 さらにインド国内の地域別に見ると、もっとも増加率が高かったのはチェンナイという地方で平均13.5%、2位はバンガロールで12.5%で、11.5%のコルカタがこれに続いている。また2004年については、平均賃金の上昇率が最大で13.4%に達すると同調査は予想している。

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