「Skype型ビジネスモデル」で新たな成長を見せるソフトバンク

永井美智子(編集部)2007年08月08日 19時56分

 「無料通話できる(ソフトフォンの)Skypeは通信事業者にとって脅威ではないかと訊かれるが、Skypeのビジネスモデルは会員同士の通話が無料で、会員以外に電話をかけるときは有料というもの。これは(ソフトバンクモバイルの)ホワイトプランと同じであり、まさにソフトバンクケータイはSkype状態だ」――ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、順調に会員数を伸ばしているソフトバンクモバイルについてこう自信を見せる。

 これは8月8日に開催された、2008年3月期第1四半期連結決算の発表で述べたものだ。

 ホワイトプランは基本料金が月額980円で、ソフトバンクモバイルの加入者同士であれば午前1時から午後9時までは通話料金が無料になるというもの。ソフトバンクモバイルが5月から7月まで3カ月間連続で純増シェア1位をとった原動力となった人気プランだ。孫氏によれば、新規顧客の99%がホワイトプランに加入しているという。

 実際のところ、Skypeの場合は会員同士であれば時間に関係なく無料で通話でき、基本使用料も要らない。また、インターネット回線を使うため、回線のない場所では利用できない。ホワイトプランと同列で比較することはできないが、「無料」の顧客アピールの強さを知りぬいた孫氏ならではの宣伝術といえる。

 ソフトバンクの第一四半期連結決算はソフトバンクモバイルが業績を牽引し、売上高は前年同期比34.2%増の6630億8400万円、営業利益は同44.9%増の787億4600万円となった。

 ソフトバンクモバイルは2006年5月より連結対象になったため、前年同期は2カ月分の業績のみが含まれている。このため、業績の伸び率で見ると大きくなる。ソフトバンクモバイルの契約者数が大きく伸びたことを好業績の要因として挙げており、契約数は7月末時点で1644万500件、業界シェアは16.8%となっている。

 ただ、1顧客あたりの月間利用料金であるARPUは5000円で、前年同期より590円下がった。ホワイトプランの利用者数が増えていることと、端末の販売価格に応じて月額利用料の一部を割り引く「新スーパーボーナス」の影響が大きい。また、端末を割賦で購入したユーザーは月額の利用料金とあわせて端末料金を支払うため、ARPUが伸びる上での重しになっている。競合であるNTTドコモの6560円、auの6430円に比べると大幅に少なく、ARPUをいかに伸ばすかが今後の課題になる。この点については、第3世代携帯電話(3G)ユーザーの60%がパケット定額プランに加入していることから、Yahoo!ケータイを中心としたインターネットサービスの利用を促進することが鍵になると見ている。

 解約率は1.46%で、前年同期に比べて0.04ポイント改善した。端末の調達コストは「4万数千円の下のほう(4万1000円〜4万5000円の間)」といい、このコストを下げることで利益率の向上を図る狙い。

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