独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)とウィルコム、ジュピターテレコム(J:COM)は3月12日、ケーブルテレビ(CATV)網を活用したPHSサービスの拡大に向けた実証実験に成功したと発表した。
これは、NICTがCATV網とモバイル端末とを連携させ、過疎地を含む全国各地でユビキタスモバイルサービスを実現するための技術開発を進めていたもの。J:COM、ウィルコム、東京農工大学の3団体が共同で、CATV網に影響を与えない新たなモバイル信号制御の開発などを行っていた。
実験は、J:COMのサービスエリア内で試作基地局10台を設置し、限定的なサービスエリアを構築。PHS端末からの発着信の接続率、通話品質、データ通信速度の検証を目的とする実証実験を行い、現在のPHSサービスと同等の品質(接続率99%以上、データ通信速度300kbps以上)が得られていることを確認した。
この実験結果から、CATV網とPHS事業者とをIPネットワーク接続することにより、これまで実現困難であった山間部やビル陰などの電波が遮断された場所でのモバイル通信が容易に実現できることが期待され、またFMC(Fixed Mobile Convergence)実現にも有効であるとしている。
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