Appleは米国時間1月30日、ほぼすべての最新型Macに内蔵されている、高速Wi-Fiチップを有効化するソフトウェアをリリースした。
同社の最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は、1月に入って開催された「Macworld」で、特定のMacに高速な802.11nチップを内蔵する予定だが、同規格の完成度が高まるまでは使用不能にする措置を取ると述べていた。Appleはその後、1.99ドルを支払うか、有効化ソフトウェアが同梱された「802.11n AirPort Extreme Base Station」を新たに購入すれば、同機能を有効にできると発表した。
Mac製品世界マーケティング担当バイスプレジデントのDavid Moody氏は、同規格の現行ドラフトに対する信頼が業界間で高まってきたため、両製品を提供することにしたと話している。Apple Storeが同ソフトウェアを販売しており、ベースステーションも179ドルでオンラインから購入できる。
AppleのシニアプロダクトマネージャーJai Chulani氏は、同社による検証の結果、802.11標準は802.11gに比べ、ネットワークへの接続速度は5倍に、伝送距離は2倍に達することがわかったと述べた。Appleは、同社のノートPCとAirPort Extremeベースステーションを接続してパフォーマンステストを行ったため、異機種が混合する環境では同様の結果が得られない可能性もある。それでもなお、ネットワークの両端に802.11nが実装されていれば、あらゆるベンダーの製品で802.11gネットワーク以上のパフォーマンスが実現できるはずだという。これはすべて、同規格が採用しているMIMO(multiple in, multiple out)技術の働きによる。
会計上の規定から有効化ソフトウェアの利用者に課金する必要があるとしたAppleの発表に対しては、802.11nへアップグレードするのに金を支払うのはおかしいという批判が相次いだ。会計の専門家がのちに明らかにしたところによると、Appleは802.11nチップを内蔵したMacの販売収入をあらかじめ計上しており、同チップの有効化に1.99ドルの料金がかかることを製品の購入時に告知しなかったため、こうした形で課金を急遽強要せざるを得なかったという。
Jobs氏はMacworldにおいて、有効化ソフトウェアの出荷は2月になると話していたが、実際にはそれより少し早く提供されることとなった。802.11nチップが採用されているのは、「Intel Core 2 Duo」搭載「MacBook」および「MacBook Pro」、AirPort Extremeオプション搭載「Mac Pro」、そして、Core 2 Duo搭載iMac(1.83GHzチップ搭載エントリレベル機は除く)である。有効化ソフトウェアは、単一のホームネットワーク上にあるMacにならば数を問わず使用できる、とMoody氏は述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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