802.11gのアップデート版となる高速Wi-Fi規格802.11nは、IEEE(米電気電子通信学会)の作業部会によりドラフトが承認され、約1年後にも標準化が終了しそうだ。
802.11nの作業部会は米国時間19日、米ハワイで開催された会合で、同規格の最初のドラフトを承認した。ドラフトが採択されるには75%の賛成票を獲得しなければならないが、最終的には184対0(棄権4)で可決した。最終版の承認は2006年以降となり、それまでに、数回の改訂作業が行われることが予想されている。
802.11nが登場すれば、ノートPCユーザーは現行の802.11gよりもはるかに高速な無線LANを利用できる。802.11nではMIMO(Multiple Input/Multiple Output)を用いる。MIMOは複数のアンテナを利用してデータを送受信する技術で、各アンテナは複数のデータ信号を同時に処理できる。そのため、802.11nを実装した製品のスループットは、動画コンテンツを中断することなく送信可能な範囲を実現すると予想されている。また、802.11nをサポートしたチップを搭載した製品は、802.11a/b/gとの互換性も実現する予定だ。
今回承認されたドラフトは、評価プロセスで最後にEnhanced Wireless Consortium(EWC)が提出したものと同じような内容となっている。EWCはBroadcom、Intel、Linksysらが参加している業界団体で、2005年10月に競合するドラフトを提出していた2つの業界団体が仕様を1つにまとめようとしていたときに、ドラフトを提出した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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