CATV事業を展開するジュピターテレコム(J:COM)は10月27日、ウィルコムと提携し、PHS事業に参入すると発表した。J:COMの加入世帯を対象として、2006年3月にサービスを開始する。
ウィルコムの端末や通話サービスを、J:COMブランドで提供する。サービス名称は、「J:COM MOBILE」(仮称)となる予定で、ウィルコムが11月に発売するPHS新端末にJ:COMのロゴをつけたオリジナルデザインを採用する。
J:COM MOBILEは、ウィルコム加入者同士の通話やメールが定額で使い放題となる「ウィルコム定額プラン」をベースとし、ウィルコムやJ:COM MOBILE加入者間の通話やメールも使い放題となる。既存のJ:COMサービスとのバンドル契約による基本料金割引や、固定電話サービスJ:COM PHONEとの優遇通話料金も導入する。
固い握手を交わすウィルコムの八剱社長(左)とJ:COMの森泉社長(右) |
サービス料金は未定だが、J:COM 取締役 事業開発統轄部長の加藤徹氏は、「ウィルコム定額プランと同様月額2000円台となる見込み」としている。料金は、他のJ:COMサービスと一括して請求される。請求書を一括することで、サービスのレベルアップと顧客満足度の向上を目指す。
J:COM 代表取締役社長の森泉知行氏は、「J:COMは、CATV、ブロードバンドインターネット、固定電話の3つのサービスを組み合わせて提供する“トリプルプレイサービス”の先駆けとなった。これに移動体通信サービスを加えて4つのサービスを提供する“グランドスラム”を模索する動きが出ているが、今回の提携でJ:COMはグランドスラムの第一歩を踏み出したことになる」としている。
グランドスラムでサービスを提供することで、J:COMはバンドル率の向上や解約率の低減、ARPU(Average Revenue Per User、1加入者あたりの月間売上高)の増加を見込む。J:COMでは、既存の3つのサービスはすべて同社がインフラを構築した上で提供していたが、移動体通信サービスにおいてはインフラへの投資の予定はなく、「パートナーとの協業でやっていく」(森泉氏)としている。
一方、ウィルコム 代表取締役社長の八剱洋一郎氏は、J:COMとの提携に至った経緯について、「J:COMは携帯電話会社の資本が入っていないため、お互いにWin-Winの関係を構築しやすい。また、J:COMのバンドルサービスと販売チャネルにより、新たなマーケットが創生できる」としている。
J:COMでは、まず既存のJ:COM PHONEを利用している世帯を中心にJ:COM MOBILEの利用を呼びかける。J:COMの6月30日現在の加入世帯数は195万5800世帯で、J:COM PHONEの加入世帯数は85万9200世帯となっているが、森泉氏は「2年以内には10万世帯がJ:COM MOBILEユーザーを抱えることになるだろう」としている。
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