アプリックス、コネクトテクノロジーズ、ジー・モード、タイトーの4社は9月21日、携帯電話から直接印刷できるダイレクトプリントを普及させ、新しいプリントコンテンツの創出を促進するためのコンソーシアム「Print Contents Gathering」(PConG、プリントコンテンツビジネス推進会議)を設立した。4社がPConGの幹事会社となる。
アプリックスでは、携帯電話から写真を直接プリントするための規格「PictBridge」に準拠した携帯電話向け専用ミドルウェア「MoPiD(Mobile PictDirect)」を開発している。現在のMoPiD 1.0では、携帯電話で撮影した写真をそのまま印刷できる範囲にとどまっているが、アプリックス 執行役員兼営業本部副本部長の?尾慶二氏は、「携帯電話の中にある情報は、写真だけではない」とし、MoPiD 2.0にてさまざまな利用シーンに基づいたダイレクトプリントが可能になると提唱した。
PConGの幹事となる4社の代表。左から、アプリックスの?尾慶二氏、タイトー取締役の笠間信一郎氏、ジー・モード海外事業本部長の山内裕也氏、コネクトテクノロジーズ取締役の伊藤広明氏 |
「MoPiD 2.0では、メールに添付されたドキュメントや、ムービーから切り出した静止画、オンラインバンキングでの明細書なども印刷できるようになる。また、写真と文字入力を組み合わせ、住所録も利用すれば、携帯電話から年賀状を作成し、そのまま両面プリントすることもできるようになる」と?尾氏。また、アプリックスが2005年3月に実施したダイレクトプリントの市場調査にて、利用シーンをユーザーに実演した結果、ユーザーの利用意向が高まったことなどから、「プリントコンテンツをコンテンツメーカーや開発企業が提案することで、携帯電話のダイレクトプリントが普及する可能性が高まる」とした。
2005年3月に総務省より発表された「ネットワークと国民生活に関する調査報告書」によると、携帯通信機器用デジタルコンテンツの市場規模は1260億円で、PC用デジタルコンテンツの市場規模1444億円にほぼ匹敵する。しかし、携帯通信機器用の市場では、プリント機能を活用したコンテンツが準備されていないこともあり、ダイレクトプリントが普及するに至っていない。この市場を開拓することで、コンテンツメーカーやプリントメーカーにとって新たなビジネスチャンスが生まれるわけだ。
PConGのメンバーは、コンテンツメーカーが主体となる。主な活動としては、ダイレクトプリントが利用されるコンテンツの仕様を策定し、携帯電話メーカーやキャリアなどに提案すること、普及啓蒙活動の推進、ユーザーニーズの検証、プリントコンテンツの開発に関する意見交換や案出などだ。
PConGの中核となるアプリックス、コネクトテクノロジーズ、ジー・モード、タイトーの4社が、ストラテジーコミッティーとして、普及啓蒙活動や仕様提案活動を実施する。また、PConG内にコンテンツワーキンググループとテクノロジーワーキンググループを設置し、タイトーをリーダーとするコンテンツワーキンググループがユーザーニーズの調査からコンテンツの案出、実証実験などを担当する。アプリックスをリーダーとするテクノロジーワーキンググループでは、技術仕様を検討し、策定する。
PConGでは、主にコンテンツメーカーを中心に、正会員を30社に限定して募集する。また、賛助会員としてプリンタメーカーや紙メーカーなどを募集し、将来的には通信や放送、出版、流通など、携帯電話ビジネスに関わる幅広い分野の企業に参画を呼びかけるとしている。2006年末にはサービスを市場に導入することを目標としている。
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