ウィルコムは9月1日、事業所内に設置できる超小型基地局などで構成される「ナノセルシステム」を開発し、企業向けに10月1日から提供すると発表した。
ナノセルシステムは、屋内設置型の超小型基地局「ナノセル基地局」と、それを制御する「ナノセルサーバー」とで構成される事業所向けのPHSシステムだ。基地局を制御するサーバには最大12台の基地局を接続でき、片側をLAN経由で基地局と接続し、もう片側をウィルコムのネットワーク網と接続する。
2005年5月より開始した音声定額サービス「ウィルコム定額プラン」と組み合わせることで、固定電話を利用した事業所内の電話をウィルコムの電話を利用したコードレスに置き換えられる。ウィルコム定額プランは、1回線あたり月額2200円(法人で10回線以上契約の場合)の基本料金を支払えば、社内外を問わずにウィルコムへの通話が無料で利用できる。つまり、事業所内の電話のみならず、外出中の社員やウィルコムの電話を契約している取引先などとの通話も無料になるわけだ。
予定している提供料金は、利用権買い取りとレンタルの2通りある。150台程度の電話機を利用できる基地局12台とサーバ1台を導入する場合、利用権買取りでは450万円から500万円、レンタルでは月額10万円程度だ。これには、電話機の購入費用や月額基本使用料、通話料などは含まれていない。導入するための工期は2〜3カ月程度が目安となる。
こうした企業向けシステムに力を入れる一方で、ウィルコムはジュピターテレコムおよび東京農工大学と共に情報通信研究機構(NICT)から「ケーブルテレビネットワークにおけるモバイル端末接続技術の研究開発」の委託先に選定され、研究開発を開始する。
この研究は、NICTが高度通信、放送研究開発の一環として学術機関や民間企業に対して研究開発の委託を募っていたものだ。既存のケーブルテレビネットワークを利用して、オールIP網ベースでのPHSサービスの提供を目指す。研究内容は以下のとおり。
なお、研究開発期間は2005年9月から2007年3月まで予定となっている。
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