KDDIと東京電力は7月26日、通信事業に関して提携交渉中であるという一部報道に対して、「逐次勉強をしているが、現時点で決まったことはない」とコメントした。
東京電力が運営する光ファイバサービス「TEPCOひかり」と、KDDIの光ファイバサービスを相互接続することについては、「積極的に話し合いを進めている」(東京電力広報)という。ただし資本提携や、東京電力の子会社であるパワードコムをKDDIが買収するといった点については、「現時点で決まっていることはない」(KDDI広報)とした。
光ファイバサービスは料金の値下げが進んだこともあり、2004年頃から契約者数が伸びている。2004年12月末における光ファイバ接続サービスの市場規模は243万回線で、ADSLやCATVを含めたブロードバンドサービス契約回線数の13.1%を占める。市場ではNTT東日本、西日本のシェアが高く、両社合計で59%となっている。東京電力を含む電力系のシェアは15%に過ぎない。
東京電力の情報通信事業は、光ファイバ網の敷設など設備投資が重く、赤字が続いている。光ネットワーク事業の2005年3月期の売上高は101億円、営業損失は306億円となった。また、子会社のパワードコムグループも経営再建中で、2005年3月期の売上高が1805億円、営業利益が6億円、純損失は838億円となっている。設備投資を先行して進めるため、同社の通信事業は2007年まで赤字が続く見通しだ。
一方のKDDIも、携帯電話事業のauが好調なものの、固定通信事業は苦戦が続いている。音声通話収入が減少しているうえ、直収型電話サービスの「メタルプラス」の営業費用がかさんでいるためだ。固定通信事業の2005年3月期の業績は売上高が5960億円、営業損失が3億円、純損失は44億円となっている。
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