鷹山が2005年6月から始める予定のWiMAXの実証実験に、パワードコムなど14社が参加することが明らかになった。WiMAXの技術データの収集や、アプリケーションをテストすることが目的とみられる。
WiMAXはIEEE802.16という規格に基づいた無線通信方式で、通信速度は最大75Mbpsと携帯電話や無線LANよりも高速な点が特徴だ。鷹山によれば1基地局あたりのユーザー収容数は600〜1000人で携帯電話と同等程度という。
実験に参加するのは、パワードコムとIRIユビテックのほか、通信キャリアや電力会社など12社。鷹山は実証実験に参加する企業から、参加費用として100万円程度を受け取る。実験は東京、京都、岡山で順次開始する予定で、IPv4とIPv6のデュアルモードについても検証する。
鷹山は、WiMAXの商用サービスを2005年12月から始めることを目指している。自社サービスのほかに、ISP事業者などに回線を貸すMVNO(Mobile Virtual Network Operator)のビジネスモデルを計画している。この場合、一定の帯域を定額料金でMVNO事業者に貸し出すことになる。
鷹山は通信機器もMVNO事業者に貸し出す。ただし、WiMAXを受信する英Airspan Networksの無線ルータ「Eazy ST」、およびPCでIP電話を利用するための無線ヘッドセットとUSBレシーバーのみで、携帯電話型の端末はMVNO事業者が用意しなければならない。
鷹山のサービスエリア外となる首都圏以外の地域については、鷹山が基地局設備などのネットワーク機器や設置ノウハウを希望する事業者に提供し、事業者のネットワークと鷹山のWiMAXネットワークをつなぐ考えだ。この場合、事業者は光ファイバ回線と基地局設置ポイントを自分で用意する必要がある。鷹山はこの事業者から機器費用、鷹山の通信センターへの接続料、ノウハウ提供料を徴収する。
2005年3月期の売上高は大幅減収、赤字幅も拡大
さらに鷹山は5月25日、2005年3月期の単体決算を発表している。売上高が前期に比べて30%以上減少したうえ、赤字幅は拡大している。
売上高は前期比34.1%減の56億900万円、営業損失は同2億4400万円悪化の51億2700万円、経常損失は同2億7500万円悪化の50億6200万円、純損失は同13億8300万円悪化の66億6300万円となった。
主力のPHS事業は売上高が前期比32.9%減の46億1700億円、営業損失は同1億8200万円悪化の42億5800万円となった。ただし2005年3月にアステルグループ各社がサービスを停止したことで、全国アステル共有設備の運営義務がなくなって合理化が図れるようになったため、今後は赤字幅が減少すると同社ではみている。
2006年3月期の業績については、PHS事業の撤退によって大幅な減収になると予測する。また、PHSインフラの整理にかかるコストやWiMAXへの設備投資などによって利益も赤字基調は続くとしている。売上高は前期比56.2%減の24億5200万円、経常損失は同9億2500万円改善の41億3700万円、純損失は16億2600万円改善の50億3700万円となる見込みだ。
なお、同社は7月1日付けで社名を「YOZAN」に変更する。
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