インターネット電話事業で急成長しているSkypeが有料サービスの充実を図っている。この取り組みを通して同社は、特定市場向けの無料通話プロバイダーから、業界大手と互角に戦う高収益企業へと変身する準備を進めている。
Skypeは、無料VoIPサービスの提供を通して、インターネット業界の急成長企業となった。同社独自の無料VoIPソフトウェアに登録しているユーザーは、2900万人にも上る。同社は現在、増加する一方の無料通話ユーザーから利益を上げようと、有料サービスの導入を検討している。この新サービスの登場は、既存ユーザーに様々なメリットをもたらすだけでなく、従来の電話会社に決定的な打撃を与える可能性がある。
Skypeは2004年7月、契約者がインターネットから従来の固定電話回線に電話をかけられるようにする有料サービス「SkypeOut」を提供開始した。このサービスには既に100万人が契約していると、同社は先週語った。
Skypeは先週、2つの新しい有料サービスのテスト版をひそかに公開した。「Voice Mail」サービスと、契約者が通常の電話番号を取得できるようにする「SkypeIn」サービスである。SkypeInにより、登録者は初めて、何億人もの従来の固定電話利用者からの電話を受けられるようになる。そのため、このサービスがVoIP業界にとって大きな転機となる可能性がある。
また同社は複数のメーカーと協力して、従来の電話機と、同社の無料ソフトウェアや有料サービスをつなげるハードウェアの開発も進めている。例えば、独Siemensはコードレス電話用のSkypeアダプターを欧州で既に発表している。米国でも、VtechやiMateなどのメーカーから新しいデバイスがもうすぐ発売され、PCの代わりに普通の電話機からSkypeのサービスを利用できるようになるだろう。
同社が他社を下回る価格を維持できれば、インターネットと従来の電話網をつなげるSkypeの取り組みは、従来の電話会社にとってもほかの新興VoIP企業にとっても頭の痛い話になると、アナリストは述べる。
Skypeと多くのライバル企業は、インターネット技術を使いながら、ユーザーにより多くの機能をより低価格で提供し、電話業界に揺さぶりをかけようとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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