Ultra-WideBand(UWB)技術の開発を行う2つの大手業界団体WiMedia AllianceとMultiband OFDM Alliance(MBOA)が合併した。
両業界団体はここしばらくの間、親しい関係にあった。2004年4月にWiMediaは、高速無線通信の標準としてMBOAが提案していた技術を支持すると表明している。また、両団体の理事は重複している。今回の合併は、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されているIntel Developer Forumで米国時間2日に発表された。
「業界にもたらされるメリットとして、今後は、仕様標準化や政府からの認可取得などの活動において、単一の指針が示される点が挙げられる」と、Philipsのワイヤレスビジネス部門担当ディレクタで、WiMedia Allianceのバイスプレジデントを務めるKursat Kimyaciogluは述べる。
「合併後の組織は、単一の仕様を全世界におけるUWB標準として支持し、世界各国のUWB帯域の規制に対して、単一の視点を持つことになる。ただ1つの、オープンなフォーラムとなることだろう」とKimyaciogluは付け加える。
BluetoothやWi-Fiなどの狭めの帯域で動作する無線技術とは異なり、UWBは幅広い周波数帯域にわたって、幅の狭い低出力のパルスを用いながら通信を行う。より広い周波数帯域で低出力のパルス化されたデータを用いているため、UWBでは有線並みのパフォーマンスを実現することが可能だ。それゆえ、UWBは、より高いデータ転送速度が求められる家電製品に向いているとされる。
新組織の「WiMedia-MultiBand OFDM Alliance」は、製品出荷に向けたタイトなスケジュールを公約している。それによれば、製品の登場は2005年末になる見込みだ。「物理層の仕様は今月中に、メディアアクセスコントロールに関する定義は5月に発表する予定だ」と、Kimyaciogluは述べた。「年末には、IPアプリケーションのプロファイルや、製品認定/相互運用性検証プログラムについて発表する」(Kimyacioglu)
最初の製品群は、既存のFirewire/IEEE 1394やワイヤレスUSB機器になる見込みで、数メートルの距離をまたいだ無線接続にUWBが用いられる。「USBと1394は、最も簡単なアプリケーションの直接的な出入り口だ。多くの人々は、やがてすべての通信がIPベースになると信じている」とIntelのシニアフェローで、MBOAメンバーの1人であるKevin Kahnは述べている。
Intelで技術戦略の立案を担当し、Wireless USB Promoter Groupの会長を務めるJeff Ravencraftは「(家電メーカーは)UWBを利用することで、配線をなくし、セットアップの簡易化を図りたいと考えている。家電製品が返品される理由の30%は、一般ユーザーがセットアップに関する知識を持っていないことに起因するものだ」と説明する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス