総務省は2月8日、携帯電話用周波数である800MHz帯の再編問題に関して、新規参入事業者への割り当てを行わない方針を正式に決定した。既存利用者の利益が損なわれる可能性が高いというのが理由。この周波数帯はソフトバンクBBが割り当てを求めて行政訴訟を行った経緯があり、同社の反発は必至だ。
800MHz帯は現在NTTドコモとKDDIが利用している帯域。総務省は両社が利用している周波数を集約して再配分する計画で、2004年8月に総務省がまとめた案では両社の使用周波数幅を合計88MHz幅から60MHz幅に集約し、両社に再度割り当てるとしていた。
これに対してソフトバンクBBは、800MHz帯が携帯電話事業に有利な周波数帯であることから、新規事業者に割り当てないのは「既得権益の保護に当たる」と反発している。同年10月には総務省を相手取って方針案の実施差し止めを求める訴訟を起こしていた(ただし同年12月には800MHz帯の免許申請を行って訴訟を取り下げている)。また、総務省案に代わる再編案を提出し、ドコモ、KDDI、新規事業者の3社に800MHz帯を20MHz幅ずつ割り当てるべきと主張していた。
総務省は今回、ソフトバンクBBの要求を却下し、2004年8月に発表した案の通りに方針を決定した。800MHz帯を新規事業者に割り当てない理由としては、以下の3つを挙げている。
今回の件に関して、ソフトバンクBB側のコメントは得られなかった。ソフトバンクグループは明日、2004年度第3四半期決算を発表して記者会見を行う予定だ。
総務省は、1.7GHz帯や2GHz帯を新たに携帯電話用として利用できるようにする考え。2004年10月から2005年2月まで開催した「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」の意見をもとに、1.7GHz帯や2GHz帯などに関する割当方針案の作成に入る。なお、この検討会の意見要旨が同日総務省から公表されている。
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