「携帯電話事業は定額制に近い料金設定にする。データ通信は定額とし、音声通話も低料金でわかりやすいメニューにする」--イー・アクセスは1月6日、2006年に開始する予定の携帯電話事業に関して説明会を開催し、1日に代表取締役社長兼COOに就任した種野晴夫氏が説明を行った。また、富士通と共同で通信実証実験を行うことも明らかにした。
同社は1.7GHz帯を利用して携帯電話事業に参入する計画で、現在は1月5日付けで設立した事業企画会社のイー・モバイルを中心に事業計画を立てている。
イー・アクセス代表取締役社長兼COOの種野晴夫氏 |
方式はNTTドコモやボーダフォンと同じW-CDMAを利用する。音声通話とデータ通信の両方が利用できる端末を提供するほか、PC用のデータカード端末、ポータブルプレイヤーやデジタルカメラに搭載可能な通信モジュールもそろえる。
サービス開始は2006年の予定。都市部でサービス展開を行った後、できるだけ早期に全国人口カバー率を90%以上に引き上げるとする。
通信料金は、PCなどからインターネットを利用した場合でもデータ通信は定額料金とする。音声通話料金は、他社を利用しているユーザーに電話をかける場合に他社への接続料が発生するため、定額制は難しいという。ただし種野氏は「自社網内ならば定額制も可能だ」と話しており、イー・モバイル利用者同士の通話料であれば定額制を導入できるとの考えを示した。
目標加入者数については、「最低限10%のシェアを取りたい」として、800万加入を目標とする。ARPUについては「ADSLと比べると今の携帯電話事業者のARPUは高すぎる。(現在の通信事業者の)半分くらいを目指す」(イー・アクセス代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏)とした。
販売チャネルは量販店を中心にする考えで、法人営業は持たず、個人向けに注力する。設備投資額は3000億円程度となる見込み。事業開始から3年後に黒字化を目指すとしている。
サービス開始に備え、同社は富士通と共同で2GHz帯を利用した実験を1月中に東京近郊で行う。「もともと富士通が2GHz帯を利用した実験を進めていたため、共同でやらせてもらうことにした」と千本氏は説明する。基地局メーカーは国内外合わせて10社ほどの候補がおり、富士通はその1社とのことだ。
実験内容はW-CDMA基地局の性能評価と、最大下り14.4MbpsのHSDPA方式などの技術検証という。1.7GHz帯を利用した実験についても予定しており、現在は基地局免許の申請を準備している段階とのことだ。1.7GHz帯実験はイー・アクセスが単独で行う予定だとしている。
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