ソフトバンクBBは12月6日、携帯電話事業に参入するため、総務省に800MHz帯の無線局免許申請を行ったと発表した。新規参入事業者への割当が検討されている1.7GHz帯と合わせて利用し、2007年の事業参入を目指す。
800MHz帯は現在NTTドコモ、KDDIの2社が利用している帯域。1.7GHz帯に比べて建物の中などにも電波が届きやすく設備投資効率が高いとして、ソフトバンクBBが割当を求めている。
ソフトバンクBB代表取締役社長の孫正義氏によると、同社が現在総務省に対して行っている行政訴訟の法廷において、同社が免許申請することは可能という説明を総務省から受けたため、今回の申請に至ったという。「総務省の割当方針案は法的拘束力がなく、800MHz帯は免許申請期間の公示が不要なため、800MHz帯で免許の申請ができるという説明を総務省から受けた」(同氏)
ソフトバンクBB代表取締役社長 孫正義氏 |
総務省は2012年までに800MHz帯を再編し、815〜850/860〜895MHzの周波数をドコモとKDDI/沖縄セルラーにそれぞれ15MHzずつ割り当てるという方針案を出している。現在は、ソフトバンクBBの申し立てを受けて割当方針を保留している状態だ。
今回の申請に伴い、ソフトバンクBBは総務省が作成した「800MHz帯におけるIMT-2000周波数の割当方針案」の執行停止、および総務省とドコモ、KDDIに対する文書破棄等禁止仮処分の申し立てを取り下げる。ただし総務省に対する行政訴訟は引き続き行うとしている。
「設備投資額は3000億円程度」
孫氏は携帯電話の事業計画についても明らかにした。800MHz帯と1.7GHz帯の両方を利用するマルチバンド方式を採用する。800MHz帯の割当は2012年以降とも言われるが、孫氏は「2012年まで待つつもりはまったくない」と断言する。「当初の利用幅は5MHz程度に限定されるかもしれないが、1.7GHz帯を併用していく」(同氏)。設備投資額については、「技術革新が進んでおり、3000億円前後でできるのではないか」との見通しを示した。
同じく携帯電話事業への参入を狙うイー・アクセスは、新規参入事業者を2社認めるべきとの主張をしている。この点に対して孫氏は、「携帯電話市場はドコモとKDDIの既存事業者2社が80%のシェアを握っている。ここに有力な1社が参入してこそ、有効な競争状態が導入される。複数の企業に細かく周波数を割り当てるようでは競争にすらならない」と話し、新規参入は1社に絞るべきと訴えた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」