Vodafoneは、音楽やビデオのダウンロード機能を売りにした3G携帯電話で、iPod世代のユーザーをつかもうとしている。
同社は米国時間10日、世界13カ国で3Gサービスの提供を開始した。2006年3月までに1000万人の顧客獲得を目指す同社は、今回あわせて10機種の3G電話機を投入するが、ロンドンで行われた英国の発表イベントでは全機種のデモが行われた。同社がターゲットとしているのは日本と、英、仏、独、伊を含む欧州各国の市場だ。
Sony Ericsson V800 |
このイベントで講演した同社CMO(最高マーケティング責任者)のPeter Bamfordは、Vodafoneのメインターゲットは35歳以下のグループであると説明。同氏はこのグループを「若くて、活動的で、娯楽指向の」市場と述べた。
VodafoneはSony BMG、EMI、Warner Musicなどのレコード会社と契約を結び、3Gユーザーが利用できる音楽ダウンロードサービスを用意する。当初3000曲でスタートするこのサービスは、今後定期的にアップデートされ品揃えも拡大されると、Bamfordは語った。価格のほうは1曲あたり1.5ポンド(約300円)となるが、ユーザーが自らの所有するMP3ファイルをUSBやBluetooth経由で携帯電話機に取り込むこともできるようになるという。
Nokia 6630 |
この音楽配信サービスはVodafoneの3G広告で大々的に宣伝されることになるが、10日のイベントではその一部が紹介された。通りを歩きながら携帯電話に収めた音楽を聴く3Gユーザーの姿を映したテレビCMでは、曲が変わるたびにウェーブのかかったロングヘア、レゲエ風ドレッド、モヒカン刈りへとその髪型が変化する。そしてボサボサの長髪に変わり、うっかりカントリーのセクションを選んでしまったことに気づくというものだ。
Vodafoneのある幹部は、同社にはiPodデジタル音楽プレイヤーに取って代わるつもりはないものの、3G電話が「持ち歩く必要のある唯一の端末」になることを期待していると語った。
Vodafoneが発売する3G電話は、大半が最大16MバイトのRAMを内蔵、また32MバイトのSDカードも装着されている。ただし、iPodの代わりにしようと思えば1GバイトのSDカードを別途購入しなくてはならない。だが、ハードディスク内蔵型の3G携帯電話がおそらく1年以内に登場すれば、Vodafoneは一気に優位に立つことになる。
ユーザーはさらに、「モビソード」と呼ばれるテレビ番組の短いビデオクリップをダウンロードすることもできる。Vodafoneが提供する最初のモビソードはテレビの「24」になる予定だ。
「『24』のモビソードはそれ自体非常に興味深い。だが、もっと重要なことは、エンターテイメント業界がモバイルユーザー専用にコンテンツを配信したいと考えている点だ」(Bamford)
なお、Vodafoneの3G携帯電話機ではテレビ電話や3Dゲームを楽しむこともできる。これらの電話機は、Samsung、Nokia、NEC、Sony Ericsson Mobile Communicationsの各社から発売される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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