KDDIは10月13日、auの第3世代携帯電話CDMA 1X WIN向けに音楽配信サービスを11月下旬より開始すると発表した。サービス名はEZ「着うたフル」。ジャケット写真などの画像や歌詞などとともに配信する。
楽曲を提供するのはファンダンゴやミュージック・シーオー・ジェーピー、レーベルモバイルなど6社。配信楽曲数はサービス開始時点で約1万曲を用意する。情報料はコンテンツプロバイダによって異なるが、1曲数百円となる見込み。
楽曲のコーデックには新たに高圧縮のHE AAC(High Efficiency AAC)を採用した。HE AACはAACの標準化技術の1つで、原曲の75%程度の品質でコーデックが可能。KDDIコンテンツ・メディア本部長の高橋誠氏によると、「AACでは1曲あたり3Mバイト程度の大きさになるが、HE AACなら1.5Mバイト程度で収まる」という。ただし、利用端末はHE AACに対応している機種に限定される。
KDDIは国内携帯電話事業者で初めて着うたに対応した企業だ。同社のサービスEZ着うたの累計ダウンロード数は、2004年9月末時点で1億2700万件にのぼるという。また、CDMA 1X WINの加入者数は6月末時点で57万件となっている。
音楽配信は米国でのAppleの成功を受け、日本でも多くの企業が参入している。KDDI代表取締役社長の小野寺正氏は今回のサービスについて、「最も身近な端末である携帯電話に直接ダウンロードできる点がポイントだ。iPodなどの端末では一度PCに楽曲をダウンロードし、そのデータを転送する必要がある」と優位性を強調する。
着うたフルではあらかじめコンテンツプロバイダが指定したイントロ部分やサビ部分だけを切り出し、着うたとして設定することが可能。楽曲を外部メモリに保存することもでき、端末を買い換えた場合でもメモリを差し込めば楽曲を利用することができる。ただし、CPRMという著作権保護技術を使ってユーザーの電話番号とひも付けした暗号化を行っているため、ほかのユーザーの端末で楽曲を再生することはできない。
PC向けのウェブサイトが見られるOpera端末が登場
KDDIでは同日、EZ着うたフルに対応した端末4機種も発表した。カシオ計算機製のW21CA、東芝製のW21T、三洋電機製のW22SA、日立製作所製のW22Hである。これらの端末を利用した場合、連続楽曲再生時間はイヤホン装着時で約9時間、スピーカー接続時は約5時間となる。
W21CAは国内の携帯電話としては初めてOperaブラウザを搭載し、PC向けのウェブサイトが閲覧できる(サービス名は「PCサイトビューアー」)。ただし通信料は定額制に入らず、従量課金となる。液晶画面は2.6インチワイドQVGAで、従来の1.3倍程度の大きさという。
EZ着うたフルに対応した端末4機種 左からW22SA,W22H,W21T,W21CA
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W21TはBluetoothに対応し、Bluetooth対応機器との間で画像やアドレス帳などのデータ交換ができる。W22SAは40MBのデータフォルダを内蔵したほか、3Dサラウンドで楽曲が聴けるステレオスピーカーを備える。W22Hはau端末としては初めてスライドスタイルを採用し、端末を閉じたまま通話やメールの閲覧などが可能だ。
端末の市場想定価格はW21CAが2万〜2万5000円程度、W21Tが2万円前後、W22SAが1万5000円前後、W22Hが1万5000円〜1万7000円程度。11月下旬より順次販売を開始する。
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