Qualcommが、同社の携帯電話用チップの多くにMicrosoftのWindows Media Technologyを組み込む計画であると、両社が米国時間23日に発表した。この動きは、無線ストリーミングサービスのほか、Microsoftにとってもメリットをもたらすと見られている。同社は携帯電話向けソフトウェア市場でのシェア拡大で苦戦を続けている。
Microsoftのストリーミング・オーディオ/ビデオ技術を直接(ハードウェアで)サポートすることになる最初のQualcomm製チップ製品は、2005年3月までに登場することになると、両社は語った。
QualcommとMicrosoftの両社は、今回の決定によりストリーミング・オーディオ/ビデオを受信可能な携帯電話の開発にかかる期間を短縮できると述べている。また「(今回の提携により)無線を使ったオーディオ/ビデオコンテンツのストリーミング配信が引き続き市場で受け入れられていく」(Qualcomm)としている。
無線ストリーミングサービスは、通信キャリアや携帯電話メーカーにとって重要な、新しい収入源となっている。だが、一般にストリーミング・オーディオ/ビデオの利用にPCを使う傾向のある米国では、これらのサービスの立ち上がりが遅く、むしろ携帯電話の普及率がPCに勝る欧州やアジア市場のほうが、より大きな成功を収めている。
だが、新しい高速ネットワークの登場を受け、通信キャリア各社はこうしたサービスに対する市場環境が熟してきているという。現在、無線機器へのコンテンツ配信サービスは、15秒前後の映画予告編や音楽の試聴にとどまっている。
「今回の提携の目標は、現在ユーザーが家庭で利用している有線高速インターネット接続と同じ高品質なビデオストリーミング体験を、携帯電話でも利用可能にすることだ」と、Verizon WirelessのCMO(Chief Marketing Officer)のJohn Strattonは声明の中で述べている。Verizonは今回発表された新型チップをベースとした携帯電話の販売を行う有力候補とみられているが、その理由は、Verizonが(携帯電話ネットワークの構築に)QualcommのCDMA技術(EV-DO)を用いており、Microsoftと強い提携関係にあるからだ。
Microsoftにとって、今回の提携はApple Computerのようなライバルに先んじて自社のオーディオ/ビデオ技術を携帯電話へと組み込むための大きな一歩となる。いまのところ、Microsoftのメディアデコーダを自社の携帯電話機に組み込んでいるのは、MotorolaとNECだけしかない。
今回の提携はまた、Microsoftの携帯電話向けOSの販売を促進し、ライバルであるSymbianの追い上げに役立つと見られている。Symbianへは主要な携帯電話メーカーが出資しており、同社の携帯電話向けOSは市場で優位にある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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