MotorolaがLinuxベースのコードを利用した携帯電話ネットワーク機器の販売を計画している。これにより、標準確立を目指すネットワーク機器メーカー各社の取り組みが一歩前進することになる。
同社は米国時間16日、Hewlett-Packard(HP)のIntegrity cx2600サーバと、次世代携帯電話ネットワークの負荷にも耐えられる、通信事業者向けのLinuxオペレーティングシステム(OS)を発売することを明らかにした。
ハードとソフトで構成される同パッケージは、Nextel Communicationsが採用するIDEN(Integrated Dispatch Enhanced Network)か、Verizon WirelessやSprintが採用するCDMA(Code Division Multiple Access)のいずれかの携帯電話向け標準技術を採用する事業者向けに設計される。米国ではIDENよりCDMAの方が、多くの通信事業者に採用されている。
HPのネットワーク/サービスプロバイダー事業部で国際マーケティング担当ディレクターを務めるJoy Kingは、Linuxが標準技術として採用されるまでに進化してきたと述べる。
「通信事業者が所有する電話網の心臓部にオープンソースソフトが導入されるのは、本当の意味では今回が初めてだ。Motorolaをはじめとする各社は、これまで自社開発したソフトを使ってきた。自社開発は、コストがかかるので、一流の大手電話通信事業者にしかできなかった」(King)
大手ネットワーク機器メーカー各社は、何年も前から、ネットワーク機器用ソフトウェアをそれぞれの独自技術に基づいて開発するのではなく、統一の標準技術を確立し、それに基づいて開発しようと努力を重ねてきた。
その狙いは単純だ。ネットワーク機器メーカー各社は、スイッチやルータなどの機器を製造する際は共通の基盤部品を利用すること、そして、独自機能はその基盤部品に追加していくことに合意している。メーカー各社は、共通の基盤部品を使うことにより、製品コストを20%削減できる。独自にこれらの部品を開発する必要がなくなるからだ。こうしたコスト削減効果は、電話会社、そして最終的にはその顧客に還元される。
アナリストによると、Nortel Networks、Nokia、Lucent Technologies、およびEricssonなどの大手機器ベンダも、この方向に進んでいるという。
Motorolaは、今後12〜18カ月以内に新製品を発売する予定だとしている。今回の提携の金銭的な条件は明らかにされていない。
提携の一環として、MotorolaはHPのOpenCall Radio Signaling Controllerソフトウェアを販売する。これは、携帯電話ネットワークのコア部分で通話を確立する際に利用される。
Motorolaが利用することになるHP Integrity cx2600サーバはIntelのItaniumプロセッサベースとなっている。これにより、Intelの同製品ラインはもうしばらく延命措置を受けることになりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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