米オハイオ州の保護刑務局は、Alanco Technologiesと41万5000ドルの契約を結び、RFID(無線ICタグ)を利用した囚人追跡技術の試験運用を行うことになった。同局ではこのシステムを使い、州全体で4万4000人いる受刑者を管理していく。
試験運用が行われるのは、オハイオ州チリコシーにあるロス刑務所で、このプロジェクトが計画通りに進めば、最終的にはオハイオ州にある33の施設全てにこの技術が導入されることになる。
この実験では、受刑者が腕時計サイズの送信機を着用し、刑務所側ではこの信号を追跡して受刑者の居所を把握する。また、この端末は取り外されそうになると、それを察知して刑務所のコンピュータに警告を送ることができる。
刑務所スタッフも安全目的で同じ送信機を自分のベルトに装着する。看守は手動でアラートを送信できるが、送信機が力ずくで取り外されたり、看守が殴り倒されたような場合には自動で警告を発する仕組みになっている。
Alancoは、同システムによりスタッフと囚人の居場所をリアルタイムで正確に把握できると主張している。
ロス刑務所のプロジェクト以外にも、米国の刑務所でのRFIDチップ導入例はある。カリフォルニア州、イリノイ州、ミシガン州の各施設ではすでに同技術が利用されており、またAlanco最高経営責任者(CEO)のRobert R. Kauffmanによると、新たに3つの州がRFID技術の採用で同社と契約する見込みだという。
人間を追跡する手段としてRFID技術が用いられるのは刑務所だけではない。大阪市では、子供が行方不明になるのを防ぐために無線タグを利用しようとしている。この場合、無線タグは生徒の衣服やかばんに取り付けられる。
それでも、無線タグは他の用途のほうが一般的だ。Delta Air Linesは先日、RFIDを使って乗客の荷物を追跡すると発表した。またポルトガルでは、犬の皮下に無線タグを埋め込んで追跡する計画が発表されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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