Sun Microsystemsは現在、携帯電話用ソフトウェアを準備中だが、このソフトウェアによって、Vodafoneのヨーロッパにおける高速ワイヤレスネットワークの普及が加速することになる。
SunとVodafoneは28日(米国時間)、サンフランシスコで開催中のJavaOneデベロッパーカンファレンスで、「Project Vodafone VFX」計画を発表した。Project Vodafone VFXは、Vodafoneの3G(第3世代)サービスを拡張する仕様や開発者向けツールを集めたプロジェクトで、SunのJava 2 Micro Edition(J2ME)ソフトウェアが、転送速度500kbps〜2.4Mbpsのワイヤレスネットワークで採用される初の試みの1つとなる。Sunのバイスプレジデント、Alan Brennerが明らかにした。
Vodafoneでは、すでに750万人以上の契約ユーザーが、J2MEソフトウェアを利用した着メロやゲームなどのソフトウェアをダウンロード購入している。Vodafoneは現在、同社のダウンロードサービス「Vodafone Live」で、はるかに高速な第3世代UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ワイヤレスネットワークを活用したいと考えている。両社はProject Vodafone VFXの開始時期については明らかにしていない。
ブロードバンド並みの転送速度を持つネットワークを利用すれば、携帯電話でテレビ放送を見たり、アルバム全曲分の音楽をダウンロードするなど、より高度なサービスを顧客に提供することが可能になる。携帯キャリア各社は、競争激化によって主力製品である音声通話の料金が下がり続けるなかで、こうしたデータ中心のサービスに力を注いでいる。
「携帯電話の機能は拡大している。ネットワーク機能も拡大している。業界内では、開発者や端末メーカーにより多くのサポートを提供しようという動きが高まりつつある」とBrennerは述べている。
3G用J2MEの準備プロセスに何らかの不手際が生じれば、Qualcommなどのライバル企業に入り込むスキを与えることになるだろう。
Vodafoneでは、SunのJavaプログラミング言語を「コアプラットフォーム」であるとし、Sunを「われわれのソフトウェア構築に力を貸す主要メーカー」だと考えている、とVodafoneのグローバルマーケティングディレクター、Guy Laurenceは述べている。同社が2月にスタートした3Gネットワークは、現在スペインやドイツなどの市場で展開されている。
Project VFXは、Sunがこの1週間でヨーロッパの携帯キャリアと結んだ2つめの契約となる。OrangeとT-Mobile Europeは先週、顧客に販売するダウンロード用ゲームなどのデータが、Sunや大手携帯電話機メーカー数社が制定した品質標準を満たすことをまもなく義務付けると発表していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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