松下、既設のCATVケーブルで100Mbps超の高速インターネットを実現

ニューズフロント2004年06月21日 17時19分

 松下電器産業は6月21日、超高速同軸ケーブル通信技術「c.LINK」をCATV網の同軸アクセス系に用いた実証実験で、100Mbpsを超える高速伝送を実現したと発表した。「既設の構内同軸ケーブル施設をそのまま利用する方式としては、世界で初めて、実使用環境で100Mbpsを超える高速伝送を実現した」(同社)

 同実験は、関西ケーブルネットの協力を得て、同社サービス地域内の集合住宅で今年4月より2カ月間実施した。局から集合住宅まで光ファイバで接続し、構内では放送信号の分配に利用されている、既設の共聴同軸ケーブル上にc.LINKを多重して各世帯と接続した。

 同方式の特長は、「(1)最高物理速度270Mbpsの高速伝送が可能、(2)構内同軸ケーブル内の空き周波数を使用して構内の共聴信号と共存可能、(3)加入者宅モデム設置時の諸設定が不要」(松下電器産業)。

 同社によると、従来、集合住宅内で高速の双方向通信を行うには、構内電話線によるVDSLが用いられるが、100Mbps以上を安定して伝送するには至っていないという。また、同軸ケーブルを用いる場合、上りは広帯域信号を送る必要があり、施設を大幅に変更する必要がある。今回の方式では、同一周波数帯域で双方向通信するため、専用の上り帯域の確保が不要。そのため既存の施設をそのまま利用できるという。

 また松下電器産業は、c.LINKの応用として、宅内での部屋間伝送、テレビとAVサーバの接続など、家庭内ネットワーク利用についてもテストを行った。その結果、HD品質の動画が問題なく伝送できることを確認したという。

 同社は今後もCATV各社と協力し、高速ケーブルインターネットシステムの実用化を図るとしている。

松下電器産業

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]