ソフトバンクは11月10日、2003年度(2003年4月1日〜2004年3月31日)の連結中間決算を発表した。売上高は前年同期比18.0%増の2254億5400万円となったものの、Yahoo! BBの顧客獲得費用などがかさんで赤字幅が拡大した。営業損失は前年同期に比べ81億5700万円悪化し393億5700万円の赤字、経常損失は同76億8800万円悪化し536億4500万円の赤字、当期純損失は同215億3600万円悪化し773億3800万円の赤字となった。
Yahoo! BBを中心としたブロードバンド・インフラ事業は売上高が前年同期の135億2000万円から大幅に伸びて535億4900万円となり、売上増に貢献した。営業損失は前年同期に比べ膨らんでいるが、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は「2002年度第4四半期のマイナス357億円をピークに赤字幅は改善している」と説明し、「順調に数値が展開できるようになっている。十分利益を出していける自信が深まってきた」と強気の姿勢を崩さない。
Yahoo! BBを運営するソフトバンクBBのブロードバンド事業の経営状況を見ると、同社が「ランニング営業利益」と呼ぶ顧客獲得費を除いた営業利益については2003年度第2四半期に黒字化を達成し、34億円の利益が出たという。ARPU(1顧客当たりの平均収入)も第2四半期に4000円台を突破し、粗利率に当たる変動利益率も第2四半期には59%になったことから、顧客獲得費を除いたブロードバンド事業の損益分岐ユーザー数は第2四半期時点で182万になったという。「十分に儲かるモデルが完成した」(孫氏)
顧客獲得費も前四半期に比べ減少傾向にあると孫氏は説明する。2003年度第1四半期には300億円弱だったが、第2四半期には250億円弱に減少した。なお月間の顧客獲得数は13万〜15万件程度という。ソフトバンクでは2004年3月末のユーザー獲得目標数を400万件以上としているが、「予定通り達成できる見込み」(孫氏)という。ただしその先の目標数や顧客獲得費も含めた営業損益の黒字化達成時期については、「マーケットの競争状況にもよる」(孫氏)と慎重な姿勢を見せ、明言を避けた。
「ソフトバンクは第2次成長期に突入」
ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏
ブロードバンド・インフラ事業以外は営業利益が拡大しており、前年同期の1億円から103億円に伸びている。ヤフーのオークション事業の取扱高が伸びたことでシステム利用収入が増え、インターネット・カルチャー事業が好調に推移したことが寄与した。また、傘下のイー・トレード証券の委託手数料が増えたことによりイーファイナンス事業も黒字に転換した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス