沖電気工業は10月23日、テレビ電話の通話時に表示するアバター(ユーザーの分身キャラクタ)の表情を、ユーザーの顔の動きに合わせて変えられるソフトウェアを開発したと発表した。第1弾としてPC上で動作する「FaceCommunicator-BBE(BroadBand Edition)」を11月1日より販売する。
FaceCommunicator-BBEはカメラに映る話者の顔画像から目・眉・唇などの動きを検知し、アバターの表情にリアルタイムに反映させる。カメラドライバの一部として動作するため、動画像通信ソフトに依存せず、「PC用カメラとテレビ電話ソフトがあれば利用できる」(沖電気工業金融ソリューションカンパニーITインキュベーション本部画像ソリューション開発部FaceCommunicatorプロジェクト事業推進リーダの井上清司氏)という。
11月1日より販売開始されるFaceCommunicator-BBEトライアル版では映像に合わせて表情が変わるだけだが、2004年2月に販売予定のVer1.0では入力された文字に合わせて口元が動いたり、合成音声でテキストを読み上げる機能も追加する予定。また、アバターごとに表情アニメーションも用意されており、爆笑、涙といった誇張した表現も可能だという。
FaceCommunicator-BBEのデモの様子。カメラの顔画像から目・眉・唇などの動きを検知し、アバターの表情に反映させる(拡大画像) | |
沖電気ではまず、通信キャリアやISPに採用を働きかけていくという。価格はオープンだが、「1000ライセンスごとの販売で、1ライセンスあたり2400円程度になるだろう」(井上氏)。PC向けについては、今後3年間で10万ライセンスの販売を予定している。
今後は携帯電話やデジタル家電、ゲーム機などの組み込みシステムへと展開していきたいという。とくに携帯電話向けが大きな市場になると見込んでおり、通信会社に働きかけを行っている段階だという。「来年もしくは再来年には市場に投入したい」(井上氏)。携帯電話などの組み込みシステムとPC向けを合わせた販売目標数は今後3年間で100万ライセンスという。
ターゲットは主に女性を想定している。自宅のくつろいだ服装や化粧をしていない姿を見られたくない、背景を見られたくないといった状況で利用されるのではないかとした。また、消費者金融などの店頭で電話申し込みをする際に、オペレータの顔の代わりにアバターを表示するといった利用もあるのではないかと井上氏は説明した。
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