中国独自の携帯電話技術標準が、中国企業および多国籍企業の支持を集めている。
ドイツの主要な電気メーカーであるSiemensは8月29日(現地時間)、中国の通信機器メーカーのHuawei Technologies(Huawei)と共同で、中国独自の第3世代(3G)技術をベースとした携帯電話の開発、製造、およびマーケティングを行う新会社を設立すると発表した。
新会社の資本金は1億ドル以上で、本拠地は北京に置く。Siemensは51%の株式を保有し、Huaweiは49%を保有する。
中国政府は、次世代携帯電話の標準として、国産技術のTD-SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access/時分割同期符号分割多元接続)を支持している。
米Microsoftや、ビデオ標準MPEGを脇に押しやったのと同じように、今回の独自携帯電話標準支持も、中国が独自にIT産業を構築しようとする動きの一環と見られている。その場合、西側企業にライセンス価格を払う必要はなくなる。
たとえばCDMA2000は、米国のチップメーカーQualcommが所有する技術だ。
通信社Dow Jonesによると、新技術を主にサポートしているのは、中国の国有企業、Datang Telecom Technology and Industry Group(Datang)で、中国以外の国で使われている標準以外の国産の選択肢として、この新技術を売り込んでいるという。
最近、カナダのネットワーク機器メーカー、NortelはDatangと共同で、TD-SCDMAの研究所を北京に設立した。Nortelは中核となるネットワークを提供し、Datangがアクセスネットワークを提供することになっている。
しかし、中国の標準はWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access、広帯域符号分割多元接続)やCDMA2000のような知名度の高い国際標準に置き換わるものと予測されているわけではない。
SiemensとHuaweiの共同発表によると、TD-SCDMA技術および製品は、「成熟した」という。
中国政府情報産業部は昨年10月、TD-SCDMAに155MHzの周波帯域を割り当て、中国における同技術の商用利用への道を開いた。
SiemensとHuaweiの両社は発表資料のなかで、「TD-SCDMAは中国で成功すると確信しており、中国以外の通信事業者がこの標準を採用することを奨励していく」と述べている。
発表資料はさらに、「TD-SCDMA標準は、地理的に大規模な範囲をカバーするスタンドアローンのネットワークの必要条件を満たすことができ、さらには、特定の市場要求を満たすためにGSMやW-CDMAネットワークへの補完的ソリューションも提供できる」と続けている。
中国では現在、TD-SCDMA用のインフラ製品の実地試験が進んでいる。ジョイントベンチャーの最初の商用製品は、2004年初めに中国で提供される予定という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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