「今年後半から来年にかけて、新しいアプリケーションを先行してFOMAに入れていく」---NTTドコモ iモード事業本部 iモード企画部長の夏野剛氏は8月28日、都内で開かれたMCF Mobile Conference 2003(mobidec 2003)において講演し、今年後半から来年度にかけて発売するFOMAには現在の第2世代(2G)携帯電話の機能をすべて盛り込んだ上で、さらに2G携帯にはない機能を積極的に搭載していく考えを明らかにした。
NTTドコモでは従来、新しいアプリケーションはまず2G携帯の50xシリーズに搭載し、その後低価格帯の25xシリーズや3GのFOMAに搭載してきた。この方針を転換する理由として夏野氏が挙げたのが、パケット料金の問題だ。
夏野氏によると、新しい機能を搭載した端末を利用するユーザーほど、パケット通信量が多いという。「503iユーザーに比べ、504iユーザーのパケット通信量は約2倍になっており、505iユーザーはさらにその上を行く」(夏野氏)。FOMAのパケット料金は2G携帯の約5分の1であることを紹介しながら、夏野氏は「新しい端末の提供は経営的には成功だが、これではお客様に申し訳ない。技術的には可能だが、これ以上(パケット量の多い)リッチアプリケーションを2Gに搭載するのは限界なのではないか」と話し、2G携帯と同等、もしくはそれ以上のアプリケーション能力を持つFOMAを市場に投入することで、ユーザーにFOMAへの乗り換えを促す考えを示した。
iモードのユーザー数は4000万人に
夏野氏は現在のiモードと505iシリーズの現状についても紹介した。夏野氏によると、iモードのユーザー数は現在3900万人にのぼるという。「年内には4000万人に達する見込みだ」(夏野氏)。さらに今年5月に販売を開始した505iシリーズは、先週までの約3カ月間で契約数が270万件に達したという。505iがヒットした理由として夏野氏は「QVGA液晶やメガピクセルカメラが搭載されただけでなく、それを生かせるFlashやiアプリDXなどのアプリケーションがあったことが大きい」と分析した。
505iシリーズより一部の携帯に搭載されているQRコードリーダーについては、「今後はFOMAも含め、すべての端末で搭載する」と表明。ドコモの50xシリーズは1シリーズごとに1000万台は売れているとして、「QRコードリーダーを搭載した端末は1年で1000万台規模の大市場になる」と語り、「マーケティングツールなどで活用してほしい」と期待を寄せた。
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