米TIがクアルコムとの契約違反を否定

 米Texas Instruments(TI)は米国時間7月28日、Qualcommとの間で結んだ特許ライセンス契約に違反したとして同社から提訴された件で、その主張内容を否定した。

 TIの上級副社長、Joseph F. Hubachは、Qualcommが米国時間の7月26日にデラウェア州ニューキャッスル郡の上級裁判所に提訴した訴訟について、「TIに対する訴状を読んだが、内容には争う理非がない。われわれは徹底的に争う」と述べた。

 携帯電話向けチップを製造する両社は、Code Division Multiple Access(CDMA)技術に関するQualcommの特許をTIに認めるという特許ライセンス契約を結んでおり、締結2年目を迎える。TIはその見返りに、同社の複数のトランジスタ技術特許の利用をQualcommに認めている。

 QualcommはTIが機密保持事項に違反して契約内容の明細を公にしたとして25日に同社を提訴した。QualcommはTIが公表した機密事項の内容を明らかにしてはいない。28日にコンタクトしたQualcomm関係者はノーコメントだった。また同日、Deutsche Bankのアナリストが顧客向けに著したメモによると、TIはQualcommに対して特許権使用料を支払ってないという部分を公表した疑いがあるという。

 Hubachは今回の訴訟を、QualcommがTIのCDMAチップ市場参入を遅らせようとする試みだと考えている。しかし、TIでは数週間以内にCDMAチップをさらに広い市場に向けて販売する計画である。

 Hubachは声明の中で、「Qualcommはここ数年、ほとんどもしくは全く競合のない環境で楽な商売をしてきた。TIはこの市場を、自由競争が勝利し、コンシューマーが利益を得る公平な競合の場にするつもりだ」としている。

 Deutsche Bankのアナリストもこれに同意し、「Qualcommの訴訟の核心は、(TIに)契約違反の疑いをかけて技術を開拓したときからQualcommが掴んで離さなかったCDMA市場への同社参入を阻止、もしくは少なくとも遅らせることだ」と書いている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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