WikiLeaksは、インフラプロバイダーや決済業者から関係を断たれ、少なくとも1人の米国の政治家によってテロ組織に指定されようとしている中、ライフラインを維持すべく苦慮している。WikiLeaksの代表Julian Assange氏は、自身の主張によるといわれのない性犯罪容疑で勾留されている。現在のところ、米国の批判者たちはAssange氏の身柄の引き渡しを求めているが、同氏の母国オーストラリアは関心を抱いていない様子だ。
Assange氏は、米国時間12月7日にThe Australianに掲載された「Don't shoot messenger for revealing uncomfortable truths」(不愉快な真実を明らかにしたからといってメッセンジャーを撃つな)と題する意見記事で、自身と現在苦境に立たされているWikiLeaksは、政府のしていることについて国民が知るべき情報を提供したことで罰せられようとしている、と述べている。
「民主社会には強力なメディアが必要であり、WikiLeaksはそのメディアの1つだ。メディアには、政府が正直であり続けるように促す力がある。WikiLeaksはイラクとアフガニスタンの戦争についていくつかの苦い真実を明らかにし、企業の腐敗についての話を暴露した」(Assange氏)
Assange氏は反戦主義というわけではないと述べ、次のように付け加えている。「政府がそのような戦争について自国民に嘘をつき、そのような嘘のために、国民の生命と税金を危険にさらすよう頼むことほど、間違っていることはない。戦争が正当化されるのならば、その真実を告げればいい。国民がそれを支持するかどうかを判断する」
WikiLeaksが公開した米国大使館の公電はThe New York Times、Der Spiegel、El Pais、The Guardianといった他の報道機関も報じたが、批判はWikiLeaksだけに集中している、とAssange氏は不満を表明している。
「WikiLeaksには報道媒体として4年にわたる実績がある。その間、いくつかの政権に変化をもたらしたことはあったが、一般に知られている限りにおいて1人の人間も傷付いていない」(Assange氏)
Assange氏は次のように続けている。「われわれは弱者だ。(オーストラリア首相Julia)Gillard政権は、真実が明らかにしてほしくないという理由でメッセンジャーを撃とうとしている。その真実には、自国の外交上や政治上の取引についての情報も含まれる」
Assange氏は、スウェーデンでの性犯罪事件に関連して7日にロンドンで逮捕され、保釈請求も却下されたが、この意見記事は逮捕前に執筆されていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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