UPDATE Googleは米国時間10月4日、OracleとのJavaをめぐる論争に関し、反論に出た。同社は、Oracleがそのライセンスポリシーを、かつては批判していたにもかかわらず、今になって支持しようとしていると主張した。
Googleは4日夜、同社がJavaに関連する特許を侵害しているとするOracleの訴えに対する答弁書を、米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提出した。Oracleは2010年8月、2009年のSun Microsystems買収により取得した特許に関し、「Android」における仮想マシン「Dalvik」の実装などにおいてGoogleが最大7件の特許を侵害していると主張した。
Googleはこれに対し、特許を侵害しているというOracleの主張を否定するとともに、特許が無効だという判断をWilliam Alsup判事に求めた。Googleは、自社の主張の根拠として、Sunを買収する前にOracleが、Javaプラットフォームの主要部分のライセンスを使用する場合、Javaプラットフォーム全体に対するオープンソースライセンスを得るために、テスト互換性キットが必要であるというSunの見解を批判していたことを指摘した。
Googleは答弁書で、Sunは、Java仮想マシンの仕様を他のソフトウェア開発者による「SunのJava仕様のクリーンルーム実装」の構築を許可する方法で公開したと主張した。しかし、Sunは、テスト互換性キット(TCK)について、Javaプラットフォームの他の部分で考えていたのと同様のオープンソースライセンス下で公開することに前向きでなく、その理由は、Javaからのライセンス収益の一部がSunに入ること、および、どのプロジェクトをJava互換であるとみなすかをSunで管理することを基本的に確実にするためだった、とGoogleは指摘している。
Googleによると、Oracleは2009年、この見解を理由にSunを批判しており、それは、「TCKライセンスは、テストした実装に対して使用分野を制限するなど、互換性のあるJava仕様の実装を区別したり制限したりするために使用されるべきではない。そのような制約のあるライセンスは、JCPが運営の拠り所とする規定であるJSPAの要件を満たさず、JCPの仕様をオープンに実装することのできるJavaコミュニティの期待に反している」と、標準化団体Java Community Process(JCP)が推進していたプラットフォームを支持する形でなされたという。
しかし、Oracleは2009年にSunの買収を完了すると、「Javaプラットフォームの完全なオープンソース化を求めるオープンソースコミュニティの要求を無視」した、とGoogleは答弁書で述べている。
今回の論争の争点は、GoogleのDalvik仮想マシンの「クリーンルーム実装」が、実際にどれだけ「クリーン」であるかという点にあるようだ。Dalvikは、ソフトウェア開発者がJavaプログラミング言語を使用してAndroid搭載端末向けのアプリケーションを開発できるようにするものである。
Androidが初めて発表されたとき、Sun幹部らは、Googleが本当にクリーン実装を実現できるかどうかについて懐疑的であった。Googleは、Dalvikには、Sunから完全なオープンソースライセンスを取得したApache Software Foundationが開発した技術が搭載されていると述べた。
「Androidプラットフォーム向けのソフトウェアアプリケーションは、Javaプログラミング言語で記述されているかもしれないが、Dalvikのバイトコードは特殊で、Javaのバイトコードとは異なる」とGoogleは答弁書に記している。「Dalvik VM(仮想マシン)は、Java VMではない」(同答弁書)
Oracleは4日、Googleの答弁書を受けて同社の声明を発表した。
「Androidの開発において、Googleはライセンスを取得せずにJavaコードを使用した。また、同社は同技術を変更したため、『1つ開発すればどこでも動作する』というJavaの中心的な設計原則に準拠していない。Googleの特許侵害とJavaコードの断片化は、Oracleに損害を与えるだけでなく、消費者、開発者、デバイスメーカーをも明らかに害するものである」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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