暑かった今年の夏が終わり、秋の涼しさを感じる今日この頃、読者の皆さまはいかがお過ごしだろうか。秋といえば、“スポーツの秋”。涼しくなり、体を動かすにはもってこいの季節となり、また、プロスポーツではシーズンがいよいよ佳境に入り、最も白熱する時期でもある。
そんな“スポーツの秋”にちなんで、今回の記事では、スポーツに関するインターネット上の話題を取り上げる。
8月末でエントリーが締め切られた東京マラソン。主催者発表では定員の3万5000人(10kmの部を含む)に対し、約9.6倍にあたる33万5000人もの応募があったという(東京マラソン2011公式サイトより)。その際、インターネットの東京マラソン公式サイトへのアクセスは家庭PCからのアクセスで22万人を集めていた。
また、ここで注目したいこととしては、東京マラソンの公式サイトへのアクセス経路として、月刊誌「ランナーズ」が運営するマラソン情報サイト「RUNNET」が一定の役割を果たしていたことをご紹介したい。
Google(www.google.co.jp) | 40% |
---|---|
Yahoo!検索(search.yahoo.co.jp) | 26% |
RUNNET(www.runnet.co.jp) | 11% |
東京メトロ(www.metro.tokyo.jp) | 3% |
楽天検索(websearch.rakuten.co.jp) | 2% |
東京マラソン公式サイトへの流入経路として、Google、Yahoo!といった検索サイトについでランクインしていたのがRUNNETであり、サイト訪問者の1割以上がRUNNET経由でアクセスしていた。
RUNNETのサイト自体も27万人がアクセスしており(2010年8月 家庭PCからのアクセス)、マラソン大会に参加を検討しているインターネット利用者にとって、非常に人気のあるサイトとなっていることがわかる。
春秋制のプロスポーツリーグにおいては、優勝争いも佳境に入り、各地で熱戦が繰り広げられている。その代表的なスポーツと言えば、プロ野球であろう。弊社からは2005年にも各球団のサイト訪問者数をリポートしているが、2010年8月現在の各球団のサイト訪問者は以下のとおり。
セリーグ | 月間利用者数 | パリーグ | 月間利用者数 |
---|---|---|---|
巨人 | 43万人 | ソフトバンク | 20万人 |
阪神 | 43万人 | オリックス | 17万人 |
中日 | 24万人 | 西武 | 16万人 |
広島 | 20万人 | 日本ハム | 16万人 |
横浜 | 12万人 | ロッテ | 14万人 |
ヤクルト | 10万人 | 楽天 | 13万人 |
弊社の視聴率データの作成方法に変更があったため、2005年と単純に比較することはできないが、依然として巨人と阪神の球団サイトの利用者数が頭一つ抜けている。また、パリーグを制したソフトバンクのサイト利用者は、球団サイト利用者でもリーグ1位となっていた。ちなみに、今季成績が低迷した横浜、楽天の両球団で、利用者が少ないことも特徴的である。やはり人気を得るには成績を伴う必要があるといえるであろう。
同じく白熱した優勝争いが行われている Jリーグの各クラブチームのサイト利用者は下記のとおり。
清水エスパルス | 7万3000人 |
---|---|
アルビレックス新潟 | 7万2000人 |
川崎フロンターレ | 7万2000人 |
ガンバ大阪 | 6万7000人 |
FC東京 | 6万4000人 |
浦和レッズ | 6万人 |
ベガルタ仙台 | 6万人 |
名古屋グランパス | 5万9000人 |
鹿島アントラーズ | 5万6000人 |
横浜Fマリノス | 5万3000人 |
J1のクラブチームの中では、今季前半のスタートダッシュに成功した清水エスパルスのサイト利用者が8月時点では1位となっていた。かくいう筆者もエスパルスファンであり、今シーズンの好調さを受けて、普段よりも応援に力が入っている。閑話休題。
Jリーグ各クラブの公式サイトの特徴としては、プロ野球の球団サイトに比べ全体的に利用者が少ないことが指摘できる。ワールドカップで日本代表が前評判を覆して活躍し、インターネット上でも非常に盛り上がったものの、それがJリーグの人気へは今一つつながっていない可能性がある。経営状況が厳しいクラブもある中、Jリーグは更なる人気拡大に向け、インターネット上からも盛り上げて行く必要があるだろう。
最後に、前月から大きく利用者を伸ばしたプロスポーツサイトとして、ゴルフサイトを取り上げたいと思う。
サイト | 7月 | 8月 | 前月比 |
---|---|---|---|
日本女子プロゴルフ協会(LPGA) | 38万人 | 50万人 | 132% |
日本ゴルフツアー機構 | 49万人 | 44万人 | 91% |
PGAツアー(PGATOUR.comz) | 5万人 | 28万人 | 537% |
上記の表からもお分かりいただけるかと思うが、PGAツアーのサイトで前月から大きく利用者を伸ばしていた。8月12日より全米プロゴルフ選手権が開催され、前年度の大会で史上最年少で予選通過を果たした石川遼選手に注目が集まった大会で、テレビでも連日放送されるなど、非常に注目された大会であった。
また、女子では米女子ツアーのセーフウェイ・クラシックを制した宮里藍選手が賞金ランキングで世界1位に返り咲くなど、大きく注目を集めていた。そのため、LPGAのサイトもアクセス数を伸ばし、前月比132%の50万人がアクセスしていた。
10月には東京マラソンの発表を控えており、また、プロ野球ではこれからクライマックスシリーズ及び日本シリーズが始まる。ゴルフにおいても、賞金王争いが佳境に入り、スポーツ界からはますます目が離せなくなってくる。
(ネットレイティングス アナリスト 臼井俊介)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」