Googleがようやく「プロジェクト10の100乗」コンテストの入選アイデアを発表した。このコンテストでは、5つのプロジェクトに総額1000万ドルが提供される。
プロジェクト10の100乗コンテストは2008年に発表されたが、Googleが途中でプロジェクトを変更し、具体的なアイデアよりも「テーマ(大きなアイデア)」に焦点を合わせたことから、最終決定までにかなり長い時間がかかった。ちょうど1年前に16のテーマが最終候補として選出され、資金提供を受ける価値が最も高いテーマはどれかを決める投票の機会が一般の人々に与えられた。
その結果、5つのテーマが採用され、それぞれの組織が実現のための具体案を提出した。選ばれた組織とテーマは次の通りだ。
- 「オンラインで教育コンテンツを無料入手できるようにする」というテーマで、Khan Academyが研究資金200万ドルを獲得。Khan Academyは、数学、科学、金融、歴史に関する講義の動画を1600本以上集めたライブラリを構築して、このアイデアを実現する。
- 「科学や工学の教育を拡充する」というテーマで、FIRSTが300万ドルを獲得。「Segway」の生みの親であるDean Kamen氏が創設したFIRSTは、10代の若者向けのロボット開発コンテストや子ども向けの「LEGO」ブロック作品コンテストなど、チーム対抗コンテストを企画することにより、科学技術への若者の関心をかき立てる。
- 「政府の透明性を高める」というテーマで、Public.Resource.Orgが200万ドルを獲得。Public.Resource.Orgは、米国の法律資料を無料開示するための活動への支援獲得を目指している。一例をあげると、現行の制度では、連邦裁判所が保管する法律資料を「Public Access to Court Electronic Records(PACER)」システムを通じて入手しようとすると1ページあたり8セント請求される。
- 「公共交通機関の革新を後押しする」というテーマでShweebが100万ドルを獲得。同社は、リカンベント自転車に似た人力の乗り物で移動するモノレールシステムを開発している。
- 「アフリカの学生に質の高い教育を提供する」というテーマでAfrican Institute for Mathematical Sciences(AIMS)が200万ドルを獲得。AIMSは、南アフリカ共和国のケープタウンを拠点とし、優秀な大学卒業者が数学で大学院の課程に進学するのを支援する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。