Appleは米国時間9月21日、ミシガン大学が実施の米国顧客満足度指数(ACSI)で100点中86点を獲得し、7年連続でPC業界のトップとなった。これは、1995年に開始されたこの年次調査においてAppleが獲得した最高スコアである。
しかし注目すべきは、Appleがこの分野において競合他社をどれだけ引き離しているかである。この分野の競合他社の多く(Acer、Dell、HPなど)は77点で並び、HP傘下のCompaqブランドは74点であった。2010年は、すべてのPCメーカーがスコアを伸ばしたが、それでも全体的にはAppleに遠く及ばないままだった。Appleの9点のリードは現在、家電、ガソリンスタンド、自動車、E-コマース、航空など、ACSI調査における45のすべてのカテゴリにおいて、1企業とその競合他社との間にある差としては最大である。
Appleのリードは、覆すことができないというわけではないものの、いくつかの理由に基づいている。たとえば、多岐にわたるが互いにつながりのある製品ラインアップ、細部にわたって管理された小売体験、そして何よりも大きいのは、非常に独特なリーダシップブランドである。ACSIの管理エディターを務めるDavid VanAmburg氏は、顧客サービスが非常に優れていることだけが理由ではないが、それが理由の1つではあると述べた。
「製品を刷新し統合していくという強い姿勢がその理由だと思う。Appleは今でも、『Mac』『iPad』『iPhone』『iPod』によって独自の地位を確立している」と同氏は述べた。「安直に組み合わされたIT製品が非常に多く存在するが、Appleは、単なるパーソナルコンピュータではなく、『IT』というものを大きくとらえることができている」(VanAmburg氏)
つまりAppleには、競合するPCメーカーと比較して、独自のソフトウェア、「iOS」「iTunes」「Mac OS X」によって結びつけられたハードウェアのエコシステムが構築されているのである。Appleは、自社製品をトータルにコントロールし、デスクトップやラップトップ以外の種類のデバイスへと事業を拡大できるようになっている。PCメーカーらは、Microsoftの製品サイクルに縛られる傾向が高く、コンシューマーデバイスメーカーではなく、単なるPCメーカーであるとみなされている。
ではなぜAppleの真似をしないのか? 実はHPは、その方向に進み始めている。同社はPalmの買収により、携帯電話やタブレットなどのモバイルデバイスを、同社のノートPCやプリンタからなるより大きなエコシステムに統合しようとしている。しかし、DellやAcerなど、他の大手PCメーカーはまだそのような状態にはない。
VanAmburg氏は、「Appleがこれによって得ている恩恵に、他のメーカーが気付くまでに長い年月がかかった」と述べた。「Palmを買収し、携帯事業に参入し、(webOSを)自社のシステムに統合しようとするHPの動きは、少しこれを示すものかもしれない」(VanAmburg氏)
「現在ではApple以外にも、PCだけという考え方を超えた動きが業界に見られるが、業界の動きはやや遅いと思う」と同氏は付け加えた。「その方向へ進むことに対する抵抗感が存在する」(VanAmburg氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス