UPDATE 進歩的なオンラインニュースマガジン「AlterNet」は、米国時間8月5日に掲載した記事で、ソーシャルニュースサイト「Digg」を利用している保守的なスーパーユーザーのグループ「Digg Patriots」に潜入した1年にわたる「覆面調査」の詳細を伝えている。Digg Patriotsは、結束して投票することにより、Diggのトップページを飾る記事を操作しているという。
AlterNetの記事は、Digg Patriotsの100人あまりのメンバーが用いている戦術について詳しく述べている。記事によると、Digg Patriotsは「Yahoo! Groups」のサイトを通じて連絡を取り合っており、こうしたやり方は2009年初頭から続いているという。
Digg Patriotsのメンバーは、Diggのトップページと「Upcoming(新着記事)」セクションからリベラルまたは反保守的と思われる記事を選び出す。AlterNetによると、それからメンバーにグループメッセージが送られ、Diggの「bury(埋める)」オプションを利用して、そういった記事がトップページに掲載されないようにしたり、すでにトップページに掲載されている場合はトップページから消えるようにしたりするという。調査中に取られたburyを指示するメールのスクリーンショットからは、グループの作戦が大いに功を奏したことがうかがえる。
Diggのトップページには、大量のトラフィックをサイトに誘導する力がある。こうした操作の標的になりやすいのもそのためだ。Diggは長年にわたってアルゴリズムを調整してきた。Diggのアルゴリズムは厳重に守られた企業秘密であり、ユーザーが投稿した最新記事が表示されるUpcomingセクションからトップページに記事を昇格させるかどうかを決定する。決定の際には、投票のペース、投票者およびその位置情報、投稿したユーザーの友人数など、多くの要素が考慮されている。
AlterNetの記事は、Digg Patriotsの作戦が至難の業であったことを大きく取り上げている。グループのメンバーの多くは、新しいIPアドレスを取得するためにモデムをリセットしたり、Diggの行動フィルタに引っ掛からないように複数のアクティブアカウントを登録および維持したりするなど、アカウントの削除や無効化を避けるためにあらゆる手を尽くさなければならなかった。
AlterNetが指摘しているように、Diggの次期版(米CNETでは7月に目にすることができた)にはbury機能が一切なく、こうした行為に歯止めをかけることができそうだ。Diggは、未登録ユーザーが投票できるようにする計画も立てており、さらに、メインとなるトップページではなく、パーソナライズ化されたニュースページに力を入れようとしている。AlterNetの記事によると、Digg Patriotsはこれまで、Diggのトップページを主要なターゲットにしてきたという。
太平洋夏時間午後2時38分更新:Diggの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるKevin Rose氏は、AlterNetの記事が詳述している方法について(「Twitter」で)次のように述べている。「防ぐのは困難だ。われわれは常にアルゴリズムを微調整している。2週間後には『new.digg.com』で新しいアルゴリズムを導入する」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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