Foxconnというブランド名で知られる鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)は、エレクトロニクス業界の大企業から注文を受けて電子機器を製造している。そんな同社の従業員の自殺問題が明るみになり、メディアの注目が集まっていることから、クライアント企業が次々に、この問題に対するコメントを発表し始めている。
Agence France Presseによると、エレクトロニクス業界で最も著名な企業の1つであるソニーと、世界最大の携帯電話企業であるNokiaが現地時間5月28日、中国のFoxconnの工場での事件を調査中であると述べたという。
ソニーは声明で、「最近の報道を受け、ソニーはFoxconnの労働環境を再評価するための作業を開始した」と述べた。
Nokiaも28日、Foxconnの状況についてコメントを発表し、「本件については心配しており、非常に深刻にとらえている。Foxconnに関する気がかりな報道を受け、どのような問題もできるだけ早く認識し、対応できるように、継続的にFoxconnと連絡を取っている」と述べた。
両社の声明に先立ち、26日にはApple、Dell、およびHewlett-Packardが同様の声明を発表している。これらの企業すべてが、自社のサプライチェーン全体にわたって、労働条件を「深刻な問題」ととらえており、本件について独自の調査を実施すると述べている。
一方、45万人の従業員を抱えるFoxconnの工場では、さらに自殺事件が続いた。28日には、2010年に入ってからおそらく16件目と思われる自殺未遂があったと報じられた。鴻海精密工業の会長が報道陣を対象に工場を案内し、従業員が幸せに安全に勤務していることをアピールしようとした26日にも、1人の従業員が飛び降り自殺したと報じられている。
鴻海精密工業は、従業員に対し、過酷な条件の下、低賃金の長時間労働を強要したと報じられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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