DGインキュベーションが運営する「Open Network Lab(以下、Onlab) 」は10月13日、シードアクセラレータープログラムの第13期デモデイを開催した。今期は3チームが発表し、最優秀チームには、塾講師の作業を効率化する「Comiru(コミル)」が選ばれた。
今年で7年目を迎えるOnlabは、13期プログラムに5チームを採択し、うち3チームがデモデイでサービスを披露。約40社のベンチャーキャピタル(VC)と30社の事業会社が集まり、中でもチャットボットや感情認識などのグローバルトレンドを用いて課題解決を目指すチームが目立っていた。また、すでにグローバル市場を開拓しているチームも多い。
そして、本デモデイの発表とともに、第14期プログラムへの応募受付も開始された。申し込み締め切りは11月28日の正午まで。
「Foxsy(フォクシー)」は、男女の出会いをサポートするチャットボットサービス。利用方法は、Facebook Messengerを立ち上げて、Foxsyと検索して登録をする。するとFoxsy(キャラクター)がトークを開始し、ユーザーのプロフィール作成の手助けや最適な相手を紹介する。
2016年7月にサービスを開始し、米国サンフランシスコを中心にユーザーを獲得している。2016年7月から営業を開始し、ユーザー数は500人、マッチング回数は約300回と高いマッチング率をもつ。同社代表の田中仁氏によると、年間10%の成長率を誇る米国のマッチングサービスの市場価値は、2020年までに4000億円まで成長すると見込まれていることから、米国をファーストステージに選んだのだという。今後の取り組みとして、イベントや旅行者のマッチングに同サービスとの親和性を感じているようだ。
「SENSO(センソー)」は、米国で流行している感情認識技術を用いて、感情分析を可能にするサービス。広告業界を中心にサービスを展開しており、感情の度合いと起伏を測定することによって広告やオンラインコンテンツの効果を分析する。たとえば、他社の感情認識技術では「嬉しい・嬉しくない」など2択で判別していることも多いが、SENSOは「嬉しい・少し嬉しい・嬉しくない・全く嬉しくない」といった感情の度合いを細分化し、分析レベルの向上につなげることが可能である。
同社代表のTiffany Pang氏によれば、今後は広告業界のみならず、セキュリティや、ゲーム、ロボットなどの業界に参入する予定だという。現在企業規模に合わせてパッケージ化し、マネタイズを計っている。また、創業者の2人はInstacart、GetAroundでのエンジニア従事経験があるため、非常に技術力の高いチームで構成されているという。
「Comiru(コミル)」は、中小学習塾の作業効率化とデータ活用を支援するサービス。学習塾を5年間経営していた代表の栗原慎吾氏が、現場で感じた課題をもとに発案した。たとえば、塾運営では作業の7割近くが、保護者への連絡や管理に充てられているという現実があるという。また、指導報告書の作成には月間30時間もの時間をかけているそうだ。そこでComiruでは、PCやスマートフォンで簡単に指導報告書の作成や閲覧を可能にした。講師の8割はデジタル世代の大学生で、保護者も8割がスマートフォンを保有していることから、オンラインサービスのニーズは高いという。
また、塾講師は保護者からわずか5分で通知書を回収し、必要なデータをスマートフォンで入力・送信できるため、回収率も高くなるそうだ。2016年4月にサービスを開始し、現在21社が利用、生徒IDは2000件を超えるなど、塾コミュニティの活性化に貢献しているとのこと。 今後は成績データを活用して、生徒に即した教材をそろえたり、進路を提案したりできるようにする予定。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」