Googleによると、世界の漁業は大きな転機を迎えているそうだ。海で取れた魚を主要タンパク源としている人は全世界で10億人以上いるが、現在の漁業は持続可能な水準を超える漁獲高で運営されているという。
生息数がこの1世代で90%も減少した種類の魚があるのに対し、人口は増加の一途だ。そして、世界で取引される魚の5分の1は、密漁や不正行為で取られたものだとした。
そこでGoogleは、漁業資源の保護に取り組むOceanaと、環境保護団体SkyTruthの協力を得て、全世界の海洋漁業活動を可視化するウェブサイト「Global Fishing Watch」(ベータ版)を開設した。
Global Fishing Watchは、人工衛星などから取得した漁船の位置情報などを解析し、地図上に漁船の活動状況を表示するサービス。対象時期は、2012年1月から現在までの任意の期間が指定できる。漁船をマウスでクリックすると、船名や所属国などが分かる。
漁船の位置は、船舶自動識別装置(Automatic Identification System:AIS)の信号を数十機の人工衛星と数千カ所の地上局を介して得る。約20万隻から情報を取得するが、蓄積される位置情報は1日で2200万件を超えるという。そして、この膨大なデータを機械学習システムに解析させ、漁船の動きから漁船のタイプ、使用している漁具を判定する。
Googleは各国政府や規制機関に対し、どの海域でどのような漁業が実施されているか把握することで、規制や禁漁区の設定に活用し、持続可能な漁業の実現に役立ててほしいとしている。
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