大手不動産業者で組織する不動産流通経営協会(FRK)は、不動産情報サイト「Yahoo!不動産」を運営するヤフーへの物件情報の提供を12月10日に打ち切る。すでにヤフーと提携解消に合意しており、現在は12月10日に向けて、データの提供と掲載を止める作業を進めているという。
ヤフーは7月にソニー不動産と資本、業務提携を結び、同社に18億円を出資すると発表。出資比率は全体の約43.7%を占める。FRKはこれを受けて「不動産情報ポータルとしての中立性はどうなるのか」とヤフーの姿勢を疑問視した。「我々が広告(物件情報)を載せる媒体(Yahoo!不動産)の運営者が不動産業に絡んでいれば、それは中立ではない。普通に考えて、広告を載せようとは思わない」とFRKの担当者は話す。
ヤフーがソニー不動産と提携したのは、不動産所有者が自身のマンションを業者を介さずに自由に売り出せる、新たな不動産売買プラットフォームを共同開発するためだ。ヤフーはFRKとの協議で「中古不動産市場を広げるために、既存の情報ポータルとしての役割を果たしながら、それとは別の手段として、(ソニー不動産と組んで)個人で物件を売り出せる方法を提案していきたい」と説明していたという。
ヤフーはFRKとの提携解消に対し「掲載できる情報が減るのは事実だが、そこまで大きな影響はない」と見ている。なお、ソニー不動産との新サービスは当初の予定通り2015年内に公開するという。
FRKは、「FRKがヤフーとソニー不動産の新サービスに反発している」との一部報道について、「そういったことは一切ない。我々は広告を掲載していただいているというスタンスだった。今回の提携解消はお互いに合意したものであり、我々が優位に立って情報を渡さない、ということではない」と強く否定した。
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