サムスン、クラウドやモバイルに向けた1億ドルのファンドを創設

Shara Tibken Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 編集部2013年02月05日 13時01分

 カリフォルニア州メンロパーク発--サムスン電子が米国時間2月4日、1億ドルの新しい投資ファンドを立ち上げた。米国における同社の存在感を高め、クラウドコンピューティングやモバイルプライバシーなどの分野でイノベーションを進める狙いだ。

 サムスンは4日、メンロパークで報道機関向けのイベントを開催し、「Samsung Catalyst Fund」はコンポーネントとサブシステムに特化した新興企業に資金を重点的に提供していくと述べた。10億ドルの規模を持つ同社の「American Ventures America Fund」も、モビリティやクラウド、Internet of Things(モノのインターネット)といった対象分野を支援するために使われる予定だ。


サムスンでデバイスソリューション担当の最高戦略責任者を務めるYoung Sohn氏は、同社の米国での取り組みついて説明した。
提供:James Martin/CNET

 サムスンでデバイスソリューション担当の最高戦略責任者を務めるYoung Sohn氏は、新しい取り組みに関する記者会見で、「これまで、われわれのイノベーションの多くは韓国で生まれた。韓国が当社の発祥の地であるからだ。韓国には多くのエンジニアがいる」と述べた。「今や、サムスンの従業員の半分以上は全世界にいる」(同氏)

 サムスンは1億ドルのSamsung Catalyst Fundを軌道に乗せるために、今年中に「SamsungCreate Challenge」というコンペティションを開催する。このコンペティションは、アーティストやエンジニア、起業家、イノベーターといった人々に、同社のテクノロジの活用を促すものだ。優勝者は1000万ドルの起業資金を授与されるだけでなく、サムスンの「Innovation and Technology」のフェローやパートナー、「Samsung R&D」の技術者からの起業支援とサポートも受けられる。

 詳細については、後日サムスンから明らかにされる予定だ。


サムスンは新たなファンドについて説明するため、4日にカリフォルニアでイベントを主催した。
提供:James Martin/CNET

 サムスンは4日、メンロパークに新たに開設した「Samsung Strategy and Innovation Center」についても発表した。このセンターは韓国とイスラエルにもあり、Sohn氏が率いている。同氏はイノベーションセンターの規模については詳細を明らかにしなかった。

 サムスンは本拠地を韓国に置いているが、ニュージャージー州やテキサス州でも大規模に業務を進めている。しかし、米国テクノロジの中心を伝統的に担うシリコンバレーでは、同社の存在感は比較的薄い。同社はカリフォルニア州マウンテンビューに新しい研究開発センターを設立するなど、カリフォルニア州をベースとする業務を徐々に拡大している。また、サムスンの幹部が最近米CNETに述べたところによると、同社はこの地域での雇用を増やしているという。

 4日に発表された新しいファンドと研究開発センターは、サムスンがシリコンバレーに定着していくために役立つだろう。また、サムスン独自の事業戦略についても、関連分野でのイノベーションの推進に貢献するはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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