ヤフー社長交代の本音--「彼らに賭けてみよう」

 既報の通り、ヤフーは3月1日、同社執行役員 コンシューマ事業統括本部長の宮坂学氏が6月に代表取締役社長 兼 CEOに就任する社長人事を発表した。4月1日付けで新執行体制を敷き、6月に社長を交代する。現社長 兼 CEOの井上雅博氏は退任する。

 ヤフーでは経営陣を一新する理由を、「4月からの新年度戦略について議論を重ねた結果、経営と業務執行の分離を明確化し、執行体制の大幅な若返りを図ることで、より一層アグレッシブな成長戦略に舵を切ることにした」と説明している。同日に東京都内で記者会見が開かれ、ヤフー取締役会長の孫正義氏や井上氏らによって、新執行体制に対する考えが語られた。

--現経営陣のまま続けていくことは難しかったのか。

  • 現経営陣によって社長人事の背景などが語られた

 井上氏:いまYahoo! JAPANにあるものは、16~17年かけて自分たちで作り上げてきた。次のステップに行くには、そのうちのいくつかは破壊しながら進んでいく必要があるが、僕だと少し愛情がありすぎて、もう少し冷静な人でなければ駄目なのではないかと思うところがあった。経営には守りと攻めのバランスがあると思うが、僕がこのままやっていくと守りの方がやや重めになっていくなと。ただ、守るものは守りつつも、もう少し攻めに重きをおかないと、競争に勝ちながら大きな成長はしていけないのかなと思う。そのために若い世代にバトンタッチするのがいいのではないかと思った。

 孫氏:いまの経営陣の平均年齢は53歳だが、今度の執行部は宮坂さんが44歳で平均年齢は41歳。平均年齢そのものが若返る。年を取っても精神的に若い人はたくさんいるが、そうは言いいつつも、ネット業界では競合の若い人たちが常に新技を繰り出している。またそれらのサービスのユーザーは年齢層も若い。そういうこともあり、ある程度の若さは保つべきだと前々から井上社長と話していた。若い執行部にバトンを渡すのは不安な面もあるが、彼らに賭けてみようというのが今の心境。

--宮坂氏の人柄については。

 井上氏:彼は現執行役員陣の1人。やはり経営に近いところから選ぶ方が安全なバトンタッチになると思い、統括本部長や執行役員の中から人選した。その中で攻めと守りのバランスでみたときに、(宮坂氏は)一番攻め側に寄っているうちの1人であろうと思った。ヤフーでは比較的に文化系の人が多いが、数少ない体育会系。体が先に動くタイプ。

--井上社長が攻められないと感じたより具体的な理由は。

 井上氏:やれなくはないと思うが、やはり十分ではない。最近思うのは携帯電話を携帯しないのは自分だけだなと。鞄の中に入れっぱなしで発信専用電話になっているところとか、ソーシャルサービスもどうも苦手で使い切れないところがある。ヤフーでは、自分が使っていいと思うサービスを作ろうというところがある中で、自分が使わないサービスが結構出てきているなと感じていたところもある。そういうものは若い人たちの方が使いこなしていると思う。

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