最も長い歴史を誇るサブスクリプション型音楽配信ウェブサービスの1つであるRhapsodyと家電小売チェーンのBest Buyは米国時間10月3日、RhapsodyがNapsterの会員などの資産をBest Buyから買収し、一方のBest BuyはRhapsodyの少数株を取得すると発表した。
契約によれば、この買収は11月30日に手続きが完了する見込みだと、両社はプレスリリースで述べている。Best Buyはどうやら、同社が買収するまで苦境に陥っており、その後も消滅したようにしか見えなかった音楽配信サービスを売り払って肩の荷を下ろすつもりのようだ。
買収の金銭的条件は完全には明かされなかった。だが、Best BuyがNapsterへの投資を回収できたとは思えない。
Best Buyは2008年、体制を一新したNapsterの音楽サービスを買収し、オンライン音楽配信分野に参入した。
Napsterはファイル共有サービスの草分けとして誕生した。ユーザーは同社のサービスを利用することで、ウェブを介して楽曲を共有できるようになった。だが複数のレコード会社が起こした一連の訴訟でNapsterはサービス停止に追い込まれ、ブランドと商標は最終的に売却された。サブスクリプション型サービスの方は、Napsterの名の下で何年もの間どうにか命脈を保ってきた。
Best Buyは2008年、Napsterの発行済み株式を1株あたり2.65ドルとして、すべて現金による公開買付けを実施した。買収総額は1億2100万ドルとなるが、Napsterが保有していた約6700万ドルの現金資産と短期投資額を考慮すると、実質的な買収額は5400万ドルだった。
Best Buyが買収した時点で、Napsterは70万人の会員を擁していると述べていた。現在の会員数は不明だが、おそらくRhapsodyは若干の新規顧客を獲得することになるだろう。
Rhapsodyについて言えば、同社は時代を何年も先取りしたように見える企業だ。同社は過去10年間のほとんどを費やして、サブスクリプション型音楽配信サービスに消費者の関心を向けようと努めてきた。現在では、音楽業界全体がこのビジネスモデルを機能させようとしている。
RhapsodyはRealNetworksとViacomの合弁事業だったが、両社はこのサービスを2010年4月にスピンオフさせている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス