Gmailへのフィッシング攻撃事件、米国政府が調査開始

Lance Whitney (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2011年06月03日 13時13分

 米国政府は、Googleのメールサービス「Gmail」において上級政府関係者のアカウントにハッカーが侵入を試みたとの報告を受け、この事件の調査に乗り出した。米国政府の見解によると、現時点では実際に侵入された痕跡は見あたらないという。

 米国家安全保障会議の広報担当者であるCaitlin Hayden氏は米国時間6月2日、米CNETに対し、「米国政府に代わって言うが、われわれは現在この件を調査中で、事実関係を確認しているところだ」と述べた。「米国政府関係者のメールアカウントが不正侵入されたことを証明する根拠は何もない」(Hayden氏)

 Hayden氏によると、今回の調査は米連邦捜査局(FBI)が中心となって進めているという。「このようなことが起こった時、事件に集中して対応するため各機関が協力することになっている」とHayden氏。

 FBIも米CNETに対し、この件を調査していることを認めた。FBIはメールにて、「われわれは、ハッカーがアカウントのパスワードを入手し、アカウントにアクセスしようとしたというGoogleの発表を認識しており、Googleやほかの(米国政府)機関と協力してこの攻撃の出どころがどこなのか、どのような情報が危険にさらされた恐れがあるのか突き止めようとしている」と述べた。

 Googleは米国時間6月1日、フィッシング攻撃により多数のGmailアカウントに不正侵入しようとした試みを検知し、阻止したことを明らかにした。この攻撃の対象には、米国やアジア各国の政府関係者の重鎮、ジャーナリスト、政治活動家、軍関係者などが含まれているという。攻撃者は、盗んだパスワードを使ってアカウントにアクセスし、設定を変えようとしていた。

 いつもようにGoogleは、この事件が中国と関係しているとして、攻撃の起点は中国山東省済南市のようだとしている。しかしGoogleは、中国政府を直接非難するまでには至っていない。BBC Newsによると、中国はこの攻撃への関与を否定しており、「今回の不正行為に対し、中国に責任を押しつけるようなことは許されない」としている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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