NVIDIAは米国時間5月9日、ベースバンドプロセッサメーカーIceraを現金3億6700万ドルで買収することで合意したと発表した。狙いはモバイル市場でさらに勢力を伸ばすことだ。
NVIDIAの最高経営責任者(CEO)Jen-Hsun Huang氏は声明で、「モバイルコンピューティング革命で中心的な役割を担うことを目指すNVIDIAの計画において、これは重要な段階だ」と述べ、「Iceraの技術を『Tegra』に加えることで、業界で最も優れた電話およびタブレットをサポートする素晴らしいプラットフォームが得られる」としている。
現在Iceraは、携帯電話から2G、3G、4Gネットワークに接続する無線ベースバンドプロセッサを開発している。NVIDIAによると、Iceraは現在、世界で550件の特許を取得済みもしくは出願中であるという。同社の無線コンポーネントは、世界中の50を超える通信キャリアが利用するデバイスに組み込まれている。
NVIDIAにとってIceraの買収は、モバイル分野での地位を確かなものにする助けとなる。現在、デュアルコア「Tegra 2」プロセッサは多くのスマートフォンやタブレットに搭載されている。Iceraの技術が加わることで、NVIDIAはベンダーに接続性のオプションも販売でき、オリジナル機器のメーカーにさらに魅力的な選択肢を提供しやすくなる。Iceraの技術の導入により、「それぞれのデバイスについて売り上げの倍増」が期待できる、とNVIDIAは声明に記している。
さらに重要なのは、この買収発表によってNVIDIAの得意とする分野の拡大が鮮明になるという点だ。同社がグラフィックスプロセッサのみを提供していたのは過去のことで、現在はスマートフォンとタブレットに力を入れているようだ。そしてIcera買収が示すように、重要だと思うところには積極的に資金を投じている。
NVIDIAはIcera買収が30日で完了すると見込んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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