カリフォルニア州ラグナニゲル発--Microsoftの幹部によると、同社は、家庭向け省エネルギー支援ウェブアプリケーション「Hohm」の普及度に失望したため、電気自動車の充電での利用に同アプリの主眼を切り替えるという。
Microsoftは2009年1月、消費者がエネルギーの使用状況を監視し、効率改善のヒントを得られる無料アプリケーションとして、Hohmを公開した。同社は10社弱の電力会社と契約し、各社がHohmを使用して電気使用データをオンラインで消費者に提供できるようにしたほか、家庭の無線LANを使って電気の使用を監視できるよう協力してきた。
だが、これらの取り組みにもかかわらず、電力会社と消費者からの反響はMicrosoftが当初期待していたほどではなかったと、同社のチーフ環境ストラテジストRob Bernard氏は米国時間4月4日、当地で開催された「Fortune Brainstorm Green」カンファレンスで述べた。同氏によると、Microsoftはそうした状況を受け、Ford Motorと提携して家庭での電気自動車の充電を管理することにHohmの重点を増していくという。
Bernard氏は、「家庭でのモニタリングでは当社が期待した普及度に届いていないため、電気自動車への注力を増して、接続の機会が増えるよう取り組んでいる」と述べ、Microsoftには今までの経験から学ぶ意図があると付け加えた。
Hohmを使用すると、Fordの電気自動車の運転者は、Microsoftの言う「価格に応じた充電」を管理できるようになる。つまり、オフピーク価格や、電気自動車を普及させるために電力会社が設定している料金など、より安い料金設定を利用して電気自動車を充電できるということだ。このアプリケーションは、2011年秋に公開される見込みで、Fordが同年中に発売を予定している電気自動車「Focus」で利用できる。
Microsoftは、消費者と電力会社へのHohmの提供も続ける予定だが、Bernard氏によると、消費者向け効率化ソフトウェアには構造と動作の面で克服すべき困難な壁があるという。Hohmは質問票のような形を取っており、ユーザーに家庭でのエネルギー利用に関するプロフィールを提供し、効率的な利用方法を提案する。しかし、このツールが消費者に電気代節約を約束するものであっても、大勢に使ってもらうことは依然として試練となっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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