米司法省(DOJ)は、最近Amazonが音楽の特別割引やプロモーションを縮小している件にAppleがどう関与したかについて、事情聴取を開始したという。音楽業界で高い地位にある2人の情報筋が話した。
この情報筋は、捜査当局がAmazonの「MP3 Daily Deal」に対するAppleの反応について、複数のデジタル音楽小売業者や大手レコードレーベルへの事情聴取を始めていると述べた。MP3 Daily Dealは、新発売のシングルやアルバムを対象に開始されるプロモーションだ。
ウェブ最大の小売業者であるAmazonは、頻繁に新しい楽曲やアルバムの価格を割引しており、ときには1日間限定で特定の音楽への独占的アクセスを得るためにレーベル各社と交渉することもあった。レーベルと所属アーティストは、自らのウェブサイト上でDaily Dealを宣伝し、同プロモーションをサポートすることがよくあった。
同情報筋は、今回の捜査はまだ極めて初期の段階にあるとしている。DOJは広範な捜査を開始する前に事実の収集を行うのが通例だが、それが毎回、政府による提訴につながるわけではない。
音楽業界の情報筋が4月に米CNETに話したところによると、Appleの幹部陣はレーベル各社に対し、Amazonのプロモーションに含まれているすべての音楽は、「iTunes」ではプロモーションの対象にならないと伝えたという。ある業界情報筋は、歌手のAlicia Keysの楽曲がDaily Dealの対象になっているのに気づいたAppleがソニー・ミュージックエンタテインメントに苦情を訴えたケースもあったと話す。
Amazonの音楽部門から「Kindle」部門のポストに移った同社幹部のScott Ambrose Reilly氏も4月、音楽業界関係者への電子メールの中で、AppleがDaily Dealを脅威に感じていることを示唆した。
Reilly氏は「Appleを苛立たせるほどの成功を収めているDaily Dealを、誇りに思わずにいられない」と書いている。
今回の捜査に関連する事情聴取について、最初に報じたのはThe New York Timesだった。
本件についてAppleとDOJに取材を申し込んだが回答は得られていない。
また情報筋がCNETに対して26日に語ったところによると、捜査当局はAppleがAmazonに及ぼした影響よりもむしろ、Appleが市場における独占的地位を競争上どう利用してきたかに興味を持っているようだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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