三洋電機は5月6日、2010年3月期(2009年4月〜2010年3月)の連結業績を発表した。価格下落や国内のデフレ傾向など厳しい状況は続いたものの、コストダウンや太陽電池の国内需要増などに後押しされ、全事業で営業利益は黒字となった。
売上高は前年同期比9.9%減の1兆5946億円となり、国内、海外ともに売り上げ減になったが、営業利益は323億円の黒字を確保。前期から米国会計基準を適用し、6部門へと区分変更したセグメント別でも、全事業で営業利益の黒字化を達成した。
三洋電機代表取締役副社長の前田孝一氏は「依然として本格的な景気回復はならず、グローバルで価格が下落、さらに原材料費のコストはアップするという経済状況で、売上高は前年同期比9.9%減となった。しかし第2四半期以降は、部品事業などが回復を見せ黒字が定着。営業利益は大きく改善した」と振り返った。
セグメント別では、2008年度に大きく落ち込んだ電子デバイスが、営業利益で21億円の黒字となり、大幅に改善した。また、コンシューマエレクトロニクス部門は、冷蔵庫などのエコポイント対象機器や付加価値の高い電動アシスト自転車が伸長。さらに自動車販売が回復したことで、ナビゲーションシステム全体も持ち直した。
一方、太陽電池や二次電池を持つエナジー部門は、黒字を確保したものの、営業利益は2008年度の472億円から、238億円へとダウン。原因として「リチウムイオン電池が販売数量は上回ったが、1年を通して価格下落が進行した」(前田氏)としている。
ただし「太陽電池やHEV需要が喚起され、太陽電池は国内を中心に売り上げが増加、HEV用二次電池も受注は順調」(前田氏)とのことで、太陽電池の生産能力増強やHEV用二次電池の新工場建設などを推進している。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」