カカクコムは11月6日、2010年3月期中間期(2009年4〜9月)連結決算を発表した。売上高が59億3700万円(前年同期比36.3%増)、営業利益が22億5800万円(同36.9%増)、経常利益は22億6300万円(同36.0%増)、純利益は13億820万円(37.1%増)となり、8月に上方修正した予想数字をさらに上回った。
決算説明会で、カカクコム代表取締役社長の田中実氏は「顧客であるショップなどの集客サポートという本業回帰を強めてきた」との経営方針を確認したうえで、「広告は厳しいと言われるが、私どもは好調だった」と語った。
価格比較サイト「価格.com」については、累計書き込み数が8月に1000万件、グルメの口コミサイト「食べログ」では9月に100万件を超えた。9月のグループサイトの月間利用者数は前年同期比61.2%増の4239万人、月間総ページビュー数39.9%増の10億1803万といずれも大幅に増え、過去最高を更新している。「サイトへの新機能の追加や地道で継続的な改善の積み上げが効果をあげている」(田中氏)。基盤となる基本指標が伸び、収益の拡大基調をけん引している。
事業分野別では、主力のインターネット・メディア事業が、売上高が57億200万円(同39.9%増)、営業利益が22億2900万円(同38.1%増)となった。価格.comにおいてショッピングサーチサービスの取扱商品数が増加し、成果報酬型の収入が伸びた。また、食べログで飲食店向けに有料サービスを始めたことも奏功した。広告は、利用者数増加による媒体力向上で広告出稿が増加した。
ファイナンス事業では、外国為替証拠金取引が市場全体の低迷で減収減益となった。保険代理店業務は伸びたが、補い切れなかった。
5月にデジタルガレージからカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にカカクコム株の一部が異動し、両者が筆頭株主として並ぶ株主構成になった。その結果、デジタルガレージとは価格.comやホテル・旅館情報サイト「yoyaQ」などでTwitterとの連携を開始。CCCとは、「eiga.com」からのニュースをCCCの「ツタヤオンライン」に配信したり、食べログのムック本をTSUTAYA店頭で販売したりし始めた。今後は食べログやyoyaQでのTポイント付与も検討している。
こうした施策も踏まえ、カカクコムは11月5日付けで2010年3月期通期の業績見通しも上方修正している。売上高は前回予想の1.6%増となる129億円、営業利益は同2.0%増の52億円、経常利益は同2.0%増の52億円、当期純利益は前回予想を3.4%上回る30億円となる見込み。10月以降の上乗せは織り込んでいないため、さらなる業績上方修正の可能性もありそうだ。
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