Microsoftは米国時間8月25日午後、現状のまま「Microsoft Word」を販売することを禁じた特許侵害訴訟において、正式に上訴手続きを講じた。
2009年5月に陪審はMicrosoftに対し、カナダのi4iの特許を侵害したとして、2億ドルを支払うようにとの命令を出した。また、8月に入ってからは連邦判事によって、さらなる賠償金額の引き上げが言い渡され、i4iの特許侵害が認められたカスタムXML機能を搭載するバージョンのWordの販売を禁ずる差し止め命令まで出されている。
Microsoftの広報担当であるKevin Kutz氏は「裁判所が下した判断および法律の適用範囲の解釈は誤っており、連邦控訴裁判所による9月23日の審理を心待ちにしている」との声明を発表した。
同社の提出書類の中では、先の判決を覆すための数多くの論拠が示されており、いくらか判事が手順を誤っていることや、「ゲートキーパー」として果たさねばならない役割を怠ったことなどが申し立てられている。
Microsoftは「とりわけ特許訴訟においては、ゲートキーパーとして判事が果たす役割が非常に重要である。判事には、ゲートキーパーとして一連の異議申し立てを考慮しつつ、どこまで特許が適用されるべきかの判断を下すことが求められることに加え、当事者の多数の専門家らによって提出された証拠が信頼できるもので、係争中の訴訟における事実に即したものであることを明確にすることが要求される。また、陪審が評決を下した後には、その評決が法的な実行力を持つようになる前に、十分な証拠および適用されるべき法律に基づいて下された判断であったのかを見極めることが、判事には求められている。(中略)今回の訴訟は、判事がゲートキーパーとして果たすべき役割を放棄する時に、特許訴訟では何が生じ得るのかを如実に示す重大な事例となっている」として、上訴の正式な手続きを取った。
一方、今回の判決を支持することを表明したi4iは、同社としては、Wordの市場からの撤退ではなく、特許侵害に当たるカスタムXML機能の廃止を求めていることを明らかにした。
i4iの会長であるLoudon Owen氏は、8月に入って米CNET Newsに対し「われわれはMicrosoftの事業の中止や関連するWordの全ユーザーへの干渉などは一切望んでいない」と語っていた。
Owen氏は26日に出した声明の中で、(上訴に当たって)Microsoftが提出した書類は「常軌を逸したものである」との見解を示した。
Owen氏は「特許の履行を求める発明家に対して、いかに敵対的な態度をMicrosoftが示そうとするのかを明らかにするものだ。また、司法制度に対する露骨な侮辱行為にも値する」と述べ、Microsoftを厳しく非難している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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