Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、米国時間7月30日に開催された証券アナリストとの会合の冒頭で、同社の事業の要となる「Windows」関連のビジネスへの脅威について発言した。
海賊行為、エマージング市場、ネットブックといった従来から課題とされている点に加えて、Ballmer氏は、Windowsに対抗する存在という別なる挑戦が突きつけられていることを認めた。
「さまざまな異なる場所からの厳しい競争にさらされている」と、Ballmer氏は語った。Ballmer氏が念頭に置いているのは、LinuxおよびAppleからの競争のみならず、新たな迫り来る脅威となるGoogleのAndroidおよびChrome OSの存在である。
Ballmer氏は「そもそもChrome OSとは、実のところどのようなOSであるのかさえ理解できていない。たった今、(Windowsに対し)競合する注目の存在としてリストに加えたところである」とコメントした。
つまりは、総合的に見て、Windowsに対する競争が今後さらに厳しくなっていくと、Ballmer氏は予測しているということでもある。
「さらなる攻撃にさらされることになるだろう。Windowsほどの(中略)大規模な事業であれば、こうした競争を強いられて当然である」と、Ballmer氏は述べた。
しかしながら、Ballmer氏は、Windowsがフラッグシップ製品であるというMicrosoftの認識からしても、このすべての脅威に十分に対抗できる存在として、「Windows 7」が果たす役割に期待しているとの見解を表明した。
「Windowsこそ、(Microsoftにとって)絶対的な存在の事業なのである」と、同氏は語っている。
Ballmer氏は、具体的な数字を挙げて話すことこそしなかったものの、Windows関連の事業が、今後もPC市場全体の成長に応じて拡大していくと考えていることを明らかにした。
また、あらゆる異なるセグメントを考慮に入れつつ、Windowsの事業を取り巻く経済環境についても総括した。
「実のところWindows事業で問題を抱えてなどいないのに、多くのアナリストが、われわれは複数の問題を抱え込んでいると考えている」と、同氏は指摘した。
Appleに関しては、2009年初めにいくらか市場シェアを伸ばしたものの、2009年末にはWindowsがシェアを取り戻すことになるため、ほぼ互角の1年になるとの見通しを示している。
さらに、Ballmer氏は、大半のアナリスト予想を数億ドル規模で下回る売上高を記録した、同社の2009年第4四半期の厳しい決算報告についても触れている。
「多くの予想を裏切る四半期となってしまった。だが、悪化する経済事情の影響を受けはしたが、会計年度全体を通じて振りかえるならば、かなり良い業績を残せたとも思う」と、Ballmer氏は述べている。
Microsoftは、2009年の残る月々も、経済事情全般と同社事業の両面で厳しい状況が続くと予測していることを明らかにした。
また、Ballmer氏は、今回の一連の発言に先立ち、このほどYahooと結ばれた検索広告分野の提携をめぐる総括も行っており、両社にとって利益となるwin-winな関係であることを強調している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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