パナソニックの子会社であるパナソニック エコテクノロジーセンターは7月2日、レーザー光を利用したブラウン管テレビの溶融割断リサイクル技術を発表した。これにより、ブラウン管のリサイクル処理が従来比3倍のスピードに効率化できるという。
ブラウン管は前面部と背面部のガラス素材が異なるため、リサイクルするにはこの部分を切断する必要がある。従来の切断は接合部を金属ワイヤーで囲み、通電加熱する熱線方式を利用していたが、加熱時間が必要な上、割断位置がばらつくなどのデメリットがあった。
今回開発された新リサイクル技術は、レーザー光の焦点を常にガラス表面に合わせる「加工面倣いヘッド機能」と、一定のエネルギーをガラス表面に照射する「照射エネルギー制御」により、的確な割断を実現したとのことだ。
また、1台あたりの処理時間は約50秒と短縮化され、熱線方式に比べ約3倍のスピードで割断できるという。
パナソニック エコテクノロジーセンターでは、2011年の地上デジタル完全移行を控え、新リサイクル技術を導入することで、急増するブラウン管のリサイクルに対応していく。また、この技術を薄型テレビリサイクルへの応用も考えていくとのとこだ。
パナソニック エコテクノロジーセンターは、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機などのリサイクルを手掛けるパナソニックの子会社。2008年度には、テレビ29万4000台をはじめ、合計75万2800台のリサイクル実績を持つ。
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